専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

「どうして自分なんだ…」。アキレス腱断裂のテイタムへ父が送った言葉「このケガを乗り越えるんだ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.05.15

アキレス腱断裂の重傷を負ったテイタム。来季の復帰が待たれる。(C)Getty Images

アキレス腱断裂の重傷を負ったテイタム。来季の復帰が待たれる。(C)Getty Images

 現地時間5月14日(日本時間15日、日付は以下同)、NBAプレーオフのカンファレンス・セミファイナルで、ボストン・セルティックスがニューヨーク・ニックスとの第5戦を127-102で勝利し、2勝3敗でシリーズを引き延ばした。

 前の試合で1勝3敗の窮地に陥った昨季王者は、終盤にトップスコアラーのジェイソン・テイタムが右足のアキレス腱断裂で無念の戦線離脱と苦しい状況にあったが、ホームのTDガーデンでチーム一丸となって2勝目を手にした。

 この日のセルティックスは7本の3ポイントを決めたデリック・ホワイトがゲームハイの34得点に3ブロック、ジェイレン・ブラウンが26得点、8リバウンド、12アシストを残すなど計6選手が2桁得点を奪った。16日の第6戦の会場は敵地マディソンスクエア・ガーデンではあるものの、ここを取れば再びホームに戻って第7戦を迎えることができる。

 そうしたなか、アキレス腱断裂の修復手術を受けたテイタムが14日にインスタグラムを更新。病院のベッドで「みんなの愛とサポートに感謝している」と投稿した。

 アキレス腱断裂は復帰まで約1年間を要することもある大ケガ。27歳のフォワードは今年のプレーオフ残り試合全休に加え、来季の復帰も定かではない。NBA入りから長期離脱することなく8シーズン連続でプレーオフに出場してきたテイタムにとっては試練と言っていいだろう。
 
 米スポーツ専門局『ESPN』のインサイダーで『Andscape』のマーク・J・スピアーズ記者は、14日に『NBA TODAY』へ出演した際、ケガをした後に交わされたテイタムと父親の会話を明かした。

 テイタムの父は現在インドネシアのチームでコーチを務めていて、ケガを負うまで42得点を奪っていた息子のプレーをタブレットで視聴していたという。

 テイタムはケガ後、電話で「父さん、どうして自分なんだ...なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだろう?」とこぼしたというが、父は「いいか息子よ、これは天命なんだ。お前はこのケガを乗り越えるんだ」と返したと、スピアーズ記者は語った。

 アキレス腱断裂のケガから復帰したNBA選手の中には、テイタムが敬愛するコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)もいる。コビーは2013年のレギュラーシーズン終盤の4月に断裂後、翌シーズンの12月に復帰した。

 現役ではケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)、クレイ・トンプソン(ダラス・マーベリックス)も同じケガに見舞われたが、見事に復帰して現在もプレーを続けている。

 昨季に悲願のNBAタイトルを勝ち獲り、連覇のかかった大事なプレーオフの途中で無念の離脱を余儀なくされたことは、テイタムにとってさぞショックだったに違いない。

 それでも、名門セルティックスを引っ張るフォワードがこの試練を乗り越えることを、ファンの誰もが願っている。来季以降、より強靭になってコートへ戻ってくることを期待したい。

文●秋山裕之(フリーライター)

「ネガティブな評価には反対だ」セルティックスOBが“過小評価”のテイタムに言及「彼には派手なプレーは必要ない」<DUNKSHOOT>
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号