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「問題は戦いに挑む姿勢と気概」ウェイドがキャブズのプレーオフ敗因を分析「ペイサーズが気持ちの面で完全に上回っていた」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.05.21

今季ミッチェル擁するキャブズは、イースト1位の64勝をマークしたが、プレーオフでは2回戦でペイサーズに1勝しかできずに敗れ去った。(C)Getty Images

 2024-25シーズンのクリーブランド・キャバリアーズは、開幕15連勝と絶好のスタートを切った。その後もチームは好調を維持し、12~1月に12連勝、2~3月にはフランチャイズ記録の16連勝を飾るなど、64勝18敗(勝率78.0%)で2015-16シーズン以来となるイースタン・カンファレンスの第1シードを獲得した。

 その成果は個人賞という形でも表われ、エバン・モーブリーが最優秀守備選手賞、就任1年目のケニー・アトキンソンHC(ヘッドコーチ)が最優秀コーチ賞を受賞、2月のオールスターにはドノバン・ミッチェル、モーブリー、ダリアス・ガーランドの3人が選出された。

 プレーオフ1回戦ではマイアミ・ヒートを平均30.5点差をつけて4連勝と一蹴。しかし、続くカンファレンス準決勝で第4シードのインディアナ・ペイサーズに1勝4敗で敗退した。

 これを受け、殿堂入り選手のドゥエイン・ウェイド(元ヒートほか)が自身のポッドキャスト『Timeout with Dwyane Wade』でキャブズの敗因に言及した。

「キャブズには明らかに若くて有望な中核メンバーがいる。今季はとても良いシーズンを送ったと思うし、それは誰も否定できない。最優秀コーチ賞、最優秀守備選手賞を受賞したし、ドン(ミッチェル)はとても成熟したシーズンを過ごして、さらに一段階レベルアップした。

 だからこそ、(プレーオフで)あのような結末になってしまったのは残念だった。すごく良いシーズンだったからね。もし自分がキャブズの広報なら、『未来は明るい』というメッセージを発信するだろう。でも、問題は今なんだ。 正直、がっかりだったよ。今回の問題はケガじゃなくて、戦いに挑む姿勢、競争に飛び込んでいく気概だったんだ」
 
 ペイサーズとのシリーズではミッチェル、モーブリー、ガーランドら主力が負傷に見舞われる不運もあったが、チーム全体で試合への"闘志"が見られなかったのも事実だった。第5戦で前半の2桁リードを守れず逆転負けしたことについて、ウェイドは次のように述べている。

「第1シードのチームに見えなかった。ペイサーズが気持ちの面で完全に上回っていて、キャブズはそれに対応できていなかった。まるで試合の激しさにショックを受けたかのようだった」

 シリーズ終了後、批判の声は大黒柱のミッチェルに集まったが、ウェイドにとってそれは当然のことだと語る。

「ドノバンはもう別のレベルにいるんだ。彼はプレーオフでどう活躍するかで評価される存在になった。レギュラーシーズンでの活躍は、彼にとっては当たり前。リーグ入りした時からそれはできていた。この先はここ(プレーオフ)でどう戦うかが問われる。そして、彼にはその能力も努力する姿勢もある。あとは(勝つ)方法を見つけるだけだ」

 ウェイドは、28歳のエースがこの敗戦をどう乗り越えるかに注目しているという。

「試合後の彼を見ていたよ。ベンチに座り込んで、コートに戻ってきて、アリーナが片付けられていく様子を静かに見ていた。俺はあの姿が好きだった。あの痛みを味わい、傷を感じて、来年またこの場所に戻る自分を想像するんだ。そういう時間が重要なんだ」

 シーズンで好成績を残しながら、プレーオフでは2年連続カンファレンス準決勝で姿を消すことになったキャブズ。ガードのガーランド&ミッチェルをはじめ、各ポジションにタレントは揃っているだけに、今季の敗戦を糧に来季の逆襲に期待がかかる。

構成●ダンクシュート編集部

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