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NBA

「カリーはスコアラーだ」。殿堂入り選手のペイトンが“PG論争”を語る「今のNBAではSGをPGとして使っている」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.05.23

ペイトン(左)は、カリーをPGではなく、スコアラーとして見ているようだ。(C)Getty Images

ペイトン(左)は、カリーをPGではなく、スコアラーとして見ているようだ。(C)Getty Images

 ステフィン・カリーは、2009年のドラフト1巡目7位でゴールデンステイト・ウォリアーズに入団すると、3ポイント全盛のトレンドを作り出し、バスケットボールの概念を変えたとも言われる。必殺の長距離砲でウォリアーズを4度のリーグ優勝に導き、今年3月にはキャリア通算3ポイント成功数でリーグ初の4000本を達成した。

 NBA史上最高のシューターの名を確立した一方で、カリーが「真のポイントガード(PG)なのか?」という議論は、ファンの間で大きな論点となっている。

 カリーのキャリアの通算アシストは6.4本で歴代47位にランクし、現在もウォリアーズのスターティングPGを務めている。ただ、実際にゲームの組み立てているのはフォワードのドレイモンド・グリーンであり、カリーの主な役割はディフェンダーを振り切って、3ポイントを打つためのスペースを作ることだ。

 シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)在籍時の1996年に最優秀守備選手賞を受賞し、2013年に殿堂入りを果たしたゲイリー・ペイトンは、アメリカのスポーツ番組『Brownie and Rab Show』出演時に、カリーを真のPGと見なすことに否定的な意見を示した。

「みんなステフ・カリーをPGとして見ているけど、俺はそう思わない。彼はスコアラーだ。PGと言っても、我々の時代におけるPGの定義とは違うんだ。考えてみてくれ。スティーブ・ナッシュは正統派PG、さらにジェイソン・キッド、俺、クリス・ポール、ジョン・ストックトンもピュアPGだった。今のNBAではシューティングガード(SG)をPGとして使っているんだ」
 
 ペイトンは、こうした変化の一因として時代の違いを挙げつつも、バスケ自体の進化も背景にあると指摘。自身がプレーしていた1990~2000年代のビッグマンの多くは、ポストアップからのフックシュートや、オフェンシブ・リバウンドを拾ってゴール下で得点するタイプだったが、現代では3ポイントを打つことも許容されている。同様に、PGもかつてはスコアよりもパスを優先する選手が一般的だった。

 しかし今では、PGも得点源となるのが当たり前で、カリーのようにシュートファーストのスタイルの選手も少なくない。その中でペイトンは、そのようなタイプの選手を「従来のPG」とは認めない姿勢を取っている。

「今の時代は1オン1で得点できる選手が多くいる。今、アシストを最優先にしている本物のPGは誰か? 思い浮かぶのはタイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)だ。彼は正統派のPGだ。なぜなら、彼はオフェンスを組み立てて、必要な時にバスケットにも切り込むからね」

 89、90年にデトロイト・ピストンズを連覇に導いたガードのアイザイア・トーマスは、昨年3月にグリーンのポッドキャスト番組『The Draymond Green Show』で次のように語っていた。

「PGについて私の考え方を話すと、ウォリアーズでは君(グリーン)がPG。君はステフよりもアシスト数が多い。君がボールを運び、“ショー”を動かすんだ。ステフはスクリーンを使い、シュートを打つ」

 ただ、同時にトーマスは「ステフは史上最高のシューターの1人だ。ある意味、彼は誰もやっていなかったことをやっている」と評価もしていた。

 カリーが“真のPG”であるか否かについては今後も議論が続くだろうが、37歳のスーパースターが唯一無二の選手であることは間違いない。

構成●ダンクシュート編集部

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