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東京五輪

「東京でお会いしましょう!」ヤオ・ミン会長もひと安心。新型コロナウイルスで開催地変更も、女子中国代表が五輪切符を獲得

小川由紀子

2020.02.10

開催地のセルビアで母国の五輪切符獲得を見届けたヤオ・ミン会長。今夏は東京でその姿を拝めそうだ。(C)Mansoor Ahmed/Ahmed photos

開催地のセルビアで母国の五輪切符獲得を見届けたヤオ・ミン会長。今夏は東京でその姿を拝めそうだ。(C)Mansoor Ahmed/Ahmed photos

 2月6日から9日にかけて、フランスのブールジュ、ベルギーのオステンド、セルビアのベオグラードの3都市で行なわれている女子バスケットボールの東京オリンピック予選。大会2日目の8日、一番手で予選通過を決めたのは、中国だった。

 初戦でイギリスに86-76で勝利して迎えた第2戦で、現欧州チャンピオンのスペインを2点差で下す大金星。2連勝でグループ3位以上が確定し、東京五輪出場を決めた。

 試合は序盤からスペインがリードするも、中国がタイトな守備から相手のミスショットを誘発すると、サイズの利を生かしことごとくリバウンドをゲット(この試合で計55本のリバウンドを記録)。スペインの前半のフィールドゴール成功率を22.7%に抑え込んだ。

 しかし、さすがは欧州王者。猛烈に追い上げて迎えた最終クォーター残り1分、エースのアルバ・トーレンスがバスケットカウントを誘う3点プレーでスペインが62-61と逆転に成功する。それでも、すぐに中国もキャプテンのシャオ・ティンがお返し。スペインの最後の攻撃は、ゴール下で何度もシュートを試みるもリムに弾かれた。この瞬間、64-62の1ゴール差で中国の逃げ切り勝ちが決定。東京行きの切符を手に入れた。
 
「スペインに勝つのは並大抵のことではない。決戦は、最終日の韓国戦だと思っていた」と語った中国のシュー・リーミンHC(ヘッドコーチ)は、「スペインという強豪を相手に、アップダウンの展開を制して勝ち切ったことは、五輪の切符以上の価値があり、若いこのチームにとって、とても大きな収穫になった。この試合は、今後も我々の財産となる経験だ」と続けた。

 五輪行きを至上命題に掲げていた中国は、この大会に向けて1か月に及ぶ強化合宿を敢行した。毎日のトレーニングはあまりにハードすぎて、「大好きなスマホゲームをやる時間が全然なかった」とWNBAのニューヨーク・リバティーに所属するセンターのハン・スーはこぼして会見場の笑いを誘ったが、隣で指揮官は、この勝利はそのハードワークの賜物だと、選手たちをねぎらった。

 中国がこの予選に賭けていたものは、東京行きの切符だけではなかった。中国は現在、新型肺炎コロナウイルスの脅威の真っ只中にいる。
 
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