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NBA

ジェームズ・ウォージー――何より勝利を優先した、究極のチームプレーヤー【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2025.10.06

 動機はともかく、彼に宿っていたバスケットの才能は本物だった。中学生の頃にはすでに身長2メートルを超え、それでいて敏捷性も瞬発力も抜群とあって、早くも多くの大学から注目を集めていた。高校最終学年ではオールアメリカン、カンファレンス最優秀選手などのタイトルを総なめにし、地元の名門ノースカロライナ大へ、目論見通りに奨学金つきで入学した。

■NCAA優勝を果たし、名門レイカーズへ入団

 ヘッドコーチのディーン・スミスが「入学してすぐ、こいつは間違いなくプロになる素材だと感じた」と見込んだ通り、ウォージーは順調に成長を遂げる。3年生の時にはエース格として、1982年のNCAAトーナメント決勝戦で28得点をあげチームを優勝に導く。しかしこの試合でヒーローになったのは、決勝シュートを決めた1年生のマイケル・ジョーダンだった。

「マイケルの凄さは入学してすぐにわかったよ。粗削りだったけど、最高の選手になろうとの熱意は感じ取れた。もちろん、後々あれほどの選手になるとは思わなかったけれどもね」(ウォージー)
 
 格好の後継者もでき、プロ入りの用意が整ったと感じたウォージーは、NBAドラフトにアーリーエントリーし、全体1位でレイカーズから指名された。この年優勝したばかりのレイカーズがトップ指名権を持っていたのは、2年前のトレードでキャブズと指名権を交換していたからだった。

 最初からチャンピオンチームに加わることができたのは、ウォージーにとっては幸運だった。ドアマットチームで負け癖のついた選手たちと無為に時間を費やすことなく、ジャバーやジョンソンら超一流の選手たちと接しながら毎日を過ごせたからだ。

「もっとプレーしたいと思うこともあったけれど、弱いフランチャイズの救世主みたいな期待を背負わなくて済んだし、ベテラン選手たちから多くを学ぶことができた」

 謙虚な姿勢を崩さなかったウォージーに対し、マジックも「大抵のルーキーだったら不満を洩らすところだけどね。あの態度こそ、彼が本物のチームプレーヤーである証だよ」と褒め称えた。
 
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