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東京五輪

東京五輪女子バスケのダークホース。上昇気流に乗るナイジェリア代表の底知れぬポテンシャルとは?

小川由紀子

2020.02.19

NBAでのコーチ経験も持つヒューリーHC。彼の着任以降、チームはさらに勢いを増している。(C)Mansoor Ahmed/Ahmedphotos

NBAでのコーチ経験も持つヒューリーHC。彼の着任以降、チームはさらに勢いを増している。(C)Mansoor Ahmed/Ahmedphotos

 ナイジェリアの女子チームは現在、上昇気流に乗っている。2017年のアフロバスケット(アフリカ選手権)で優勝を果たし、翌年のW杯に出場。そこで同国初のベスト8入りを果たす。19年には再びアフロバスケットで頂点に立つと、その大会の上位4か国によるプレ五輪予選を勝ち抜いて、2月の最終予選に挑んだ。そして04年のアテネ五輪以来4大会ぶり、2回目のオリンピック出場権を手に入れたのだ。

 その原動力となっているのは、18年のW杯直前に着任したアメリカ人のオーティス・ヒューリーJr. HCだ。NBAのサクラメント・キングスでアシスタントコーチを務めた経歴を持ち、15年のアジアカップでは台湾代表を準決勝に導いている。
 
 彼のキャラクターがまた強烈で、試合中にはコートサイドで、両手を広げたり、頭を抱えたり、オーバーリアクションで一喜一憂する。試合後には精魂使い果たしてぐったりしているほどなのだが、その分、彼の全エネルギーを選手たちに注入している感じだ。選手の1人は「ヒューリーHCには、トレーニング中は厳しく喝も入れられるけれど、彼ほどの人はいないのではないかというほど、大きなハートを持っている。私たちを全力で引っ張ってくれる」と尊敬をこめて語る。

 ナイジェリアは、今予選での12人の登録メンバー全員が国外リーグでプレーしている。この最終予選に向けては事前合宿もかなわず、開催地のベオグラードには大会4日前に集合したが、初日の練習に参加できたのはたったの4人。12人全員が揃ったのは、なんと初戦の前日だった。そんな厳しい状況で、ヒューリーHCは最大級のパフォーマンスを選手たちから引き出したのだ。

 もちろん、そこにはナイジェリア人の本来のポテンシャルの高さもある。NBAで昨季MVPに輝いたヤニス・アテトクンボはギリシャ国籍ながら、両親はナイジェリア人。女子選手でも、チームUSAの現エースで、最終予選ではMVPにも選ばれたネカ・オグウミケや、イギリス代表で17年WNBAチャンピオンのミネソタ・リンクスに所属するテミ・ファグベンルもナイジェリア出身だ。
 
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