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東京五輪

東京五輪女子バスケのダークホース。上昇気流に乗るナイジェリア代表の底知れぬポテンシャルとは?

小川由紀子

2020.02.19

五輪6連覇中の絶対女王・アメリカとの一戦では終盤までリードを奪う大善戦。司令塔のカルーは17得点、8アシストをあげてチームを牽引した。(C)Mansoor Ahmed/Ahmedphotos

五輪6連覇中の絶対女王・アメリカとの一戦では終盤までリードを奪う大善戦。司令塔のカルーは17得点、8アシストをあげてチームを牽引した。(C)Mansoor Ahmed/Ahmedphotos

 ヒューリーHCが、「招集することさえ叶えば、ナイジェリアはとんでもないタレント揃いのチームになる。それに、十分な準備期間があれば、さらにチームのポテンシャルを高めることができる」ともらすのにも一理ある。

 セルビア戦でもアメリカ戦でも、ヒューリーHCは全選手を試合で起用した。スペインリーグでプレーするキャプテンのアダオラ・エロヌ、フランスリーグ所属のスピードスター、司令塔のエジン・カルーなど、コアメンバーはいるが、指揮官は若手を含め多彩なローテーションを繰り出した。いつ誰が出ても狙い通りのプレーができること、そして決定機のシュートは絶対に外さないことを、五輪本番へ向けてのチーム作りの目標に掲げている。
 
 アメリカ戦後、ヒューリーHCは「この試合での戦いぶりをみて、彼女たちの底力は計り知れないと改めて思った。まだまだこれがベストじゃない、彼女たちのベストが見られるのはこれからだぞ、と。人々が持っているアフリカの印象を根底から覆すチャンス。東京で我々は、それに挑む」と興奮気味に話した。

 ドレッドのロングヘアをなびかせるガードのカルーは、「これまで、東京に行けると現実的に考えたことはなかった。けれど、W杯でドアの前に立てた。アフロバスケットで、そのドアをノックすることができた。そして今回、そのドアを思いっきり蹴り開けて、私たちは東京に挑む。この夏、世界にアフリカのパワーを見せつけたい」と満開の笑顔を見せた。

 彼女たちはこの夏、東京の観衆をはじめ、世界のバスケットボールファンに強烈なインパクトを与えることになるかもしれない。

文●小川由紀子
 
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