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東京五輪

世界での傑出度は男子アメリカ代表以上。女子バスケ界の絶対女王「チームUSA」に流れる勝者のメンタリティ

小川由紀子

2020.02.20

2016年にWNBAのMVPに輝いたオグウミケは、今予選の3試合で平均13.7点をあげ、最優秀選手に選ばれた(C)Getty Images

2016年にWNBAのMVPに輝いたオグウミケは、今予選の3試合で平均13.7点をあげ、最優秀選手に選ばれた(C)Getty Images

 モザンビーク戦でゲームハイの24得点、9リバウンドの活躍を見せたフォワードのネカ・オグウミケは試合後、「相手より自分たちが優れたチームなどとは誰一人として考えていなかった。どのチームも、ベストのゲームをしようと挑んでくる。モザンビークも決してあきらめることなく渾身の力でぶつかってきた。まだまだ自分たちは成長できるという手応えとともに試合を終えることができた」と謙虚に話したが、その眼差しは真剣そのものだった。

 常に追われる立場にある彼女たちは、どの試合も「勝って当然」という目で迎えられる。その中でプレーすることには難しさもあるはずだが、ガードのスカイラー・ディギンス・スミスは、「私たちが試合に向かう時には、一人ひとりが最高の試合をすることを自分に課している。どの試合も真剣勝負なんだ、ということが私たちのメンタリティには刷り込まれている。どのチームも目指しているものは同じ。だからどんな相手であっても、自分たちと同等だと思ってプレーしている」と言い切った。
 
 高精度の3ポイントシュートを武器とする彼女は、昨シーズンは出産のためWNBAでのシーズンを1年間休養している。「WNBAは、少ないスポットを大勢が奪い合う場所。その世界に入ることも難しいけれど、若い選手もどんどん出てくる状況の中、プレーし続けることはもっと難しい。おそらく世界で一番タフな環境だと思う」

 その中で日々戦い続けることで、競争心も精神力も鍛えられている。「1年間離れているあいだ、ゲームが恋しかった。またチームの一員となってプレーできることが最高に幸せ」。

 現在五輪6連覇中のチームUSA女子チームが東京大会で目標に掲げているのは、金メダル以外にない。世界大会で数々の金メダルを獲得し、「霊長類最強」と呼ばれたレスリングの吉田沙保里さんは、「ナンバー1になるのも大変でしたが、ナンバー1であり続けるのはもっと大変でした」と語っているが、リーブHCも、まさに同じことを口にしている。

「頂点まで登っていく過程は、そこにとどまる過程よりもずっと簡単。(頂点にい続けるのは)ただとどまるだけでなく、進化を続けることが求められる」。そのために必要なのがベストプレーヤーを集めることであるのは間違いないが、リーブHCは「加えて重要なのは、どのようなタイプの選手を集めるかということ」だと強調した。

「チームUSAが魅力的なチームになるようなメンバーであること。常に勝利を追求することが根底にあるのは大前提として、そこに伴う犠牲をいとわない精神をもっていること。数々の大会をこなすなど、頂点に到達する道程には大変なことが山ほどある。でも、それを喜びとして取り組める選手たちだけを我々は集める。そのために、選手選考のプロセスは非常に慎重に行なっている」
 
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