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東京五輪

東京五輪女子バスケのダークホース。上昇気流に乗るナイジェリア代表の底知れぬポテンシャルとは?

小川由紀子

2020.02.19

2月の最終予選では強豪のセルビア、アメリカに善戦。4大会ぶり2度目の五輪出場を決めた。(C)Mansoor Ahmed/Ahmedphotos

2月の最終予選では強豪のセルビア、アメリカに善戦。4大会ぶり2度目の五輪出場を決めた。(C)Mansoor Ahmed/Ahmedphotos

 2月6~9日にかけて東京オリンピックの女子バスケットボール最終予選が行なわれ、出場全12チームが決定した。その中で唯一、アフリカ大陸から乗り込んでくるのが、ナイジェリア代表だ。セルビアのベオグラードで行なわれた最終予選では、セルビア、アメリカという世界の強豪相手に好戦し、「東京で見るのが待ちきれない!」と会場の人々に言わしめるインパクトを与えた。

 2018年のW杯で優勝し、すでに五輪出場を決めていたアメリカ、開催地のセルビア、同じアフリカのモザンビークと同組で戦った最終予選。ナイジェリアは初戦のモザンビーク戦で85-51の圧勝。昨年のユーロバスケット(欧州選手権)銅メダルのセルビアと対峙した2戦目は、後半に一時16点差をつけられるも、最終クォーターで4点差まで追い上げ、最終的に64-70で惜敗した。
 
 他国の結果により東京行きが決定した末に臨んだラストのアメリカ戦では、ハーフタイムの時点で現世界王者に14点リードの大奮闘。後半に逆転されて71-76で敗れたものの、常勝軍団を最後まで苦しめた彼女たちの戦いぶりには、勝者にも等しい称賛が贈られた。

 ナイジェリアの特徴は、運動能力を最大限に生かしたプレーと、最後まで運動量の落ちないタイトなディフェンスにある。とりわけ、ザ・ヨーロッパ的な戦術がベースのセルビアは、ナイジェリアの超ハイペースなゲーム運びにリズムを狂わされて苦戦。後半になってようやく、持ち前の巧みなパスワークで挽回したが、相手のペースでプレーした第1クォーターは17本打ったシュートのうち成功は6本とミスを連発した。

 オフェンスでは超高速のファーストブレイクを武器とする。抜群の反射神経を生かしたスティールからボールを奪うと一気に駆け上がり、高い決定率でレイアップを決める。アメリカ戦でも、スティールの数はアメリカの5本に対し13本、速攻からの得点数、相手のターンオーバーからの得点ともにナイジェリアが上回った。さらにセルビア戦、アメリカ戦ともに3ポイントシュートの決定率でも相手を上回っている。
 
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