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NBA

34番はビッグマンの出世番号?オラジュワンから現役のアデトクンボまで受け継がれる伝統を紐解く【NBA背番号外伝】

出野哲也

2020.02.24

現役の34番の代表格であるアデトクンボ。今後は彼に憧れて同番号をつける選手も出てくるだろう。(C)Getty Images

現役の34番の代表格であるアデトクンボ。今後は彼に憧れて同番号をつける選手も出てくるだろう。(C)Getty Images

 そのピアースが34番を選んだのは誰かに憧れていたわけではなく、高校2年の時に彼に合うサイズのジャージーが34番しかなかったから。ピアースの元チームメイト、レイ・アレンも08年にセルティックスに移籍するまでは34番。こちらはバークレーのファンだった高校時代の恩師に敬意を表したものだ。バックスから移籍したシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)ではレジー・エバンスの背番号だったが、「僕にとって34は数字以上のもの」と、エバンスに食事をおごって番号を譲ってもらったエピソードもある。セルティックス時代は20番、ヒート移籍後は愛着のある34番に戻した。ピアースは18年に永久欠番となったが、アレンは1球団に長く在籍しなかったのが災いしてどのチームの欠番にもなっていない。

 そのほかの欠番選手には、71年のドラフト1位指名で、クリーブランド・キャバリアーズの創成期に活躍したオースティン・カーと、ABA時代のインディアナ・ペイサーズで2度MVPに輝いたメル・ダニエルズがいる。また、レイカーズの34番はオニール以外にも、ミネアポリスを本拠地にしていた時代の主力選手、クライド・ロベレットの“名誉番号”として扱われている。
 
 1980~90年代はバークレー以外にも34番を着用するフォワードが多かった。バークレーと名前のよく似たチャールズ・オークリーは、ポジションも同じパワーフォワードで、マイケル・ジョーダンと親友同士だった点まで共通している。シカゴ・ブルズから全盛期を過ごしたニューヨーク・ニックス、さらには晩年のトロント・ラプターズでも34番。現役最後のロケッツを除いて18年間にわたって同番号をつけ続けた。

 テリー・カミングスは主にバックスで活躍したスコアラー。プロ入り最初の8年のうち7シーズンで平均20点以上をマークするなど、通算得点は史上53位にランクしている。ゼイビア・マクダニエル(元ソニックスほか)も同時代のオールスター選手で、マイク・ミッチェルもキャブズ、スパーズで平均20点以上を稼ぎ出す隠れた実力者だった。

 90年代以降は、クリス・モリス、アイザイア・ライダー、コーリス・ウィリアムソン、そしてオロウォカンディと、入団時の期待に応えられなかった選手が少なくなかった。近年でもピアースとアレンを除けばデビン・ハリス、ショーン・リビングストン、ジャベール・マギー(ウィザーズとナゲッツ時代。現在はレイカーズで7番)が目立つ程度だったが、アデトクンボの出現で一気に華やかさを取り戻した。今後はヤニスに憧れて34番を背負う選手も出てくるだろう。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2013年8月号掲載原稿に加筆・修正。

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