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NBA

“コビーの最大の理解者”デレック・フィッシャー。バスケットボールと真剣に向き合い続けた“努力の男”の物語【NBA名脇役列伝・前編】

出野哲也

2020.02.26

課題だったシュート精度を向上させ、周囲の信頼を勝ち取った。(C)Getty Images

課題だったシュート精度を向上させ、周囲の信頼を勝ち取った。(C)Getty Images

 リーグ屈指の才能の持ち主と研鑽を積むことで、フィッシャーの技量も目覚しい進歩を遂げていく。2年目の97-98シーズン後半には、先発ポイントガード(PG)だったニック・ヴァン・エクセルの負傷欠場中にスターターを任されて結果を残すと、以降もその座を譲らなかった。

■シュートに磨きをかけるも、ペイトンの加入で控え降格

 堅実なプレーメイキングとしぶといディフェンスが評価され、さらなる成長が期待されたフィッシャーだったが、ひとつ大きな問題を抱えていた。それはフィニッシュの精度の低さだ。

 99-00シーズン、レイカーズは12年ぶりの優勝を飾ったが、フィッシャーのフィールドゴール成功率はわずか34.6%。この年からヘッドコーチに就任したフィル・ジャクソンの教え子ロン・ハーパーの加入もあり、スターターに定着することはできなかった。フィッシャーは「フィルは僕のような、背の低い典型的なPGがあまり好みじゃなかったみたいだ。だからシュートに磨きをかけるしかなかったのさ」と当時を振り返る。
 
 翌00-01シーズンは右足の疲労骨折により、開幕から長期欠場を強いられた。それでも3月半ばに復帰すると、その初戦で26得点、8アシスト、6スティールの大活躍。さらにハーパーのケガもあって残りの全20試合で先発起用されたフィッシャーは、プレーオフでも好調をキープした。

 サンアントニオ・スパーズとのウエスタン・カンファレンス決勝では、すべての試合で37分以上出場し、ターンオーバーをわずか2回にとどめてみせる。そして第4戦では7本中6本の3ポイントを沈め、チーム最多の28得点を奪いファイナル進出の原動力となったのだ。

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズとのファイナルでも、優勝を決めた第5戦で6本の3ポイントをヒットし18得点。「大事な場面でシュートを決められたし、皆に頼りにしてもらえて嬉しかった」と語ったフィッシャーは、2連覇を成し遂げたレイカーズに間違いなく不可欠な存在であった。
 
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