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NBA

なぜショーン・ケンプはケンタッキー大でプレーしなかったのか?当時の関係者が語る“事件”の真相

ダンクシュート編集部

2020.05.09

97年にソニックスからキャブズへ移籍。加入初年度こそオールスターに出場したが、その後キャリアは転落の一途を辿った。(C)Getty Images

97年にソニックスからキャブズへ移籍。加入初年度こそオールスターに出場したが、その後キャリアは転落の一途を辿った。(C)Getty Images

 ネックレスを盗まれたとされる当時2年生ガードのショーン・サットン(当事者)は、「この件については今まで決して話さなかった」と語る。しかし、「以前、『再体験したいことじゃない』とだけ言った。でも、誰もが真実を知るべきだと思う」との思いから口を開く決断に至ったという。

「ケンタッキーのファンには、ショーン・ケンプがいいヤツだってことを認識してほしい。本当に、本当に残念だけど、何が起こっているのか本当に理解する前に、彼はいなくなっていた。もし32年前に戻れるなら、私は別のやり方をするだろう。なぜなら、私が思うに彼はそんなことをしていないと思うからね」

 ショーン・サットンは、自身の想像を超える勢いで話が大きくなり、「手に負えなくなってしまった」という。ケンプにとってはもちろんだが、周囲にとっても後味の悪い出来事として記憶に刻まれているようだ。

「警察に被害届を出さなかったことにしたい。彼の人生に影響を与えてしまったこと、ネガティブなイメージを与えてしまったことに価値はない。もしあの時に戻れるなら、私はその行動はしていなかっただろう。ネックレスを盗んだ人物はそれが誰のものか嘘をつき、ショーンにそれを売るように言った。私はショーンのことは知っているから、そうでなれば彼がそんなことをするとは思わない」
 
 のちにNBAのボストン・セルティックスでプレーし、14年に日本の島根スサノオマジック(当時bjリーグ)でヘッドコーチ(HC)も務めたレジー・ハンソンは、「ショーンは何も盗んでいない」と証言する。ショーン・サットンと同様に「辛い思い出」として認識する一方で、結末は変えられたと後悔の念を滲ませる。

「みんなショーンのことが好きだった。彼は本当にいいヤツで、愉快なヤツでもあった。いつも笑顔で、私たちを笑わせていたよ。別れを言う機会のあった人間がいたのかも分からない。仮に、彼がネックレスを盗んだとしよう。そうしたらみんなは彼が何をしたのか、なぜそんなことをしたのか把握して、罰を与えるだろう。もしソーシャルメディアが発達した今に盗みを働いたとしたら、彼が他のチャンスを手にするのは難しかったかもしれない。でも当時は、(学校)内部で対処でき、改心させることができる状況だった。彼が早々にいなくなってしまったのはショックだったよ」
 

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