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NBA

「マイケルは練習で皆をテストし、全員を向上させることができた」ブルズ2度目の3連覇メンバーが体感したジョーダンの流儀

秋山裕之

2020.05.09

主にガーベッジタイム要因だったが、コートに立てば正確なアウトサイドシュートとハッスルプレーで存在感を放った。(C)Getty Images

主にガーベッジタイム要因だったが、コートに立てば正確なアウトサイドシュートとハッスルプレーで存在感を放った。(C)Getty Images

「あの時はチームの皆にとって、信じられない瞬間だった。ロースターの多くの選手は(ブルズが前期3連覇した時に)チームにいなかった。でもこの世界でベストなバスケットボールプレーヤーと同じチームでプレーできると知って、皆が飛び跳ねるように喜んだものさ。その一方で、彼とのプレーにアジャストするまで時間がかかったんだ。彼が戻ってから最初の1週間なんて、チームの皆は練習中ほとんど彼を見ていたからね(笑)。 僕らはただボールを彼に預けて、見とれていたよ。だからチームとして結束するまでに時間がかかった。『突っ立って彼を見るんじゃない。プレーしろ!』といつもフィルが言ってたんだ(笑)」

 93年にブルズが前期3連覇を達成した時、ジョーダンは紛れもなくNBAのベストプレーヤーだった。80年代を牽引してきたマジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)、ラリー・バード(元ボストン・セルティックス)、アイザイア・トーマス(元デトロイト・ピストンズ)さえも叶わなかった3連覇を成し遂げ、ジョーダンは史上初となる3年連続ファイナルMVPを獲得していたのだから当然だろう。

 だがブシュラーが言うように、前期3連覇を果たした当時のメンバーはジョーダンのほか、ピッペン、アームストロング、ウィル・パデューのみ。一から新たにチャンピオンチームを構築していく必要があった。
 
 ジョーダンはチームメイトたちに対して厳しい要求をし、自身にはそれ以上の厳しさを求めることで知られているのだが、ブシュラーはその要求を「リーダーシップ」と評し、こう続けた。

「チームの皆が、日々の練習の中でマイケルが自分たちをテストしようとしているんだと理解していた。練習から抜け出すことはできなかったし、本当の意味でリラックスすることもなかったけど、最高だったよ。それこそリーダーがやることだし、彼はこのチームを引き上げたんだ。彼はいつだって僕たちをテストし、勝負どころで信頼できるかどうかを見ていた。彼は(試合の重要な局面で)チームを手助けできる選手を必要としていたんだ。それによって、選手全員を向上させることができた。マイケルの行動を問題だと捉えていた選手はいないと思う。僕らは皆、できる限りベストな選手になりたいと思うものだ。それに彼が僕らを必要とする時にコートへ立ちたかったからね」
 

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