専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

「マイケルは練習で皆をテストし、全員を向上させることができた」ブルズ2度目の3連覇メンバーが体感したジョーダンの流儀

秋山裕之

2020.05.09

ジョーダンの厳しい“テスト”をクリアしロースター入りを果たしたブシュラー。97年のファイナル第6戦では、貴重な3ポイントを決めて優勝に貢献した。(C)Getty Images

ジョーダンの厳しい“テスト”をクリアしロースター入りを果たしたブシュラー。97年のファイナル第6戦では、貴重な3ポイントを決めて優勝に貢献した。(C)Getty Images

 試合中、ジョーダンはミスをした選手へ威圧感に満ちた表情で睨むため、怖がる選手がいたことも事実。同メディアのアレックス・ケネディ記者は、ある選手がジョーダンのことを「皆が恐れるブーギーマン(想像上の怪物)」と語ったと明かしたが、ブシュラーは冷静だった。

「そうだね。僕は(彼のプレーを実際に見ていない)若い世代の選手たちの多くが、マイケルに対して恐れを抱くものだと理解している。現代のリーグで、マイケルがそうだったように皆が本当に恐れてしまう選手がいるのかは、僕には分からない。相手チームの選手たちは本当に彼と対戦したくなかったくらいだからね。マイケル、それにスコッティは、ディフェンス面で情け容赦ない選手だった。特にマイケルにはオーラが備わっていた。メンタル面でも相当タフだったし、あの恐ろしさを持った選手は、これまで見たことがないね」
 
 それでも、ブシュラーはジョーダンやピッペン、ロッドマンと同じチームの一員としてプレーし、自身の居場所を確保してきた。ジョーダンとプレーした4シーズンについて、ブシュラーは最後にこう振り返った。

「僕らはセカンドユニットの一員として、90年代後期に3つのチャンピオンシップを勝ち取ることができた。だから僕らはそのことに対して本当に感謝しているんだ。このチームで多くの勝利を手にし、スコッティ、デニスがいて、フィルにコーチされてジョーダンという男の偉大さを目撃してきた。これは皆が経験できることじゃないからね。きっと皆がすごくラッキーだったと感じているはずだ。僕も(後期の3連覇に)このチームの一員として過ごすことができ、非常に幸運だと感じているのは確かだね」

 ジョーダンによる厳しいテストをクリアし、王者の一員として3連覇を経験したブシュラー。プレータイムこそ短かったものの、96年からの3シーズンでいずれも74試合以上に出場していたことは、ブルズの選手たちから信頼を得ていた証と言っていいはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】引退後もその影響力は絶大!NBAの頂点に君臨するバスケットボールの”神様”マイケル・ジョーダン特集
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号