レギュラーシーズンで何度も対戦してきたピアースとアイバーソンだが、プレーオフで一度対決したことがある。それが2002年のイースタン・カンファレンス・ファーストラウンドだった。
アイバーソン率いるシクサーズは前年にイーストを制してNBAファイナルへ進出し、ロサンゼルス・レイカーズの前に1勝4敗で敗れていた。一方、当時のセルティックスは、ピアースとアントワン・ウォーカー(元セルティックスほか)を中心に1995年以来初のプレーオフへと返り咲いた新興チーム。
両チームによるシリーズは、ピアースとアイバーソンによる壮絶なスコアリングバトルとなった。ピアースがシリーズベストの平均30.2点を奪えば、アイバーソンも平均30.0点をマーク。全5試合(当時は3戦先勝)のトップスコアラーはいずれも両選手であり、2勝2敗で迎えた最終第5戦ではピアースがアイバーソン(31得点)を圧倒する46得点の大暴れ。3ポイント80.0%(8/10)と大当たりだったピアースは、前半だけで29得点をたたき出し、前年のイースト覇者へ引導を渡した。
「ベースライン側へ追い込めたらいい方だった。俺はあの男に追いつこうとはしなかったからね。俺だって『Sports Center』で誰かのハイライトの餌食にはなりたくなかったんだ」とピアースは振り返る。
現役時代、ピアースは巧みなクロスオーバーからリングへ向かって跳び上がり、ディフェンダーの目の前から何度もダンクを叩き込んで“ポスタライズ”してきた。ハイライトではダンクやブザービーターなどのクラッチショットが最も絵になると言っていいだろう。
だがその一方で、アイバーソンの登場とともにクロスオーバーや超絶ハンドリングで相手ディフェンダーを抜き去り、アンクルブレイクするハイライトシーンも2000年代に入って急増。ピアースはジョー・ジョンソン(元アトランタ・ホークスほか)の小気味良いハンドリングの前にコートへ手を付けてしまい、あっさりとノーマークのジャンパーを決められたことでハイライトシーンに出てしまうこともあった。
とはいえ、ピアースが現役時代に数多くの勝利を演出してきた勝者であることに変わりはない。所属チームを劇的な勝利へと導いてきた勝負師として、今後も人々の記憶に残り続けるに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
アイバーソン率いるシクサーズは前年にイーストを制してNBAファイナルへ進出し、ロサンゼルス・レイカーズの前に1勝4敗で敗れていた。一方、当時のセルティックスは、ピアースとアントワン・ウォーカー(元セルティックスほか)を中心に1995年以来初のプレーオフへと返り咲いた新興チーム。
両チームによるシリーズは、ピアースとアイバーソンによる壮絶なスコアリングバトルとなった。ピアースがシリーズベストの平均30.2点を奪えば、アイバーソンも平均30.0点をマーク。全5試合(当時は3戦先勝)のトップスコアラーはいずれも両選手であり、2勝2敗で迎えた最終第5戦ではピアースがアイバーソン(31得点)を圧倒する46得点の大暴れ。3ポイント80.0%(8/10)と大当たりだったピアースは、前半だけで29得点をたたき出し、前年のイースト覇者へ引導を渡した。
「ベースライン側へ追い込めたらいい方だった。俺はあの男に追いつこうとはしなかったからね。俺だって『Sports Center』で誰かのハイライトの餌食にはなりたくなかったんだ」とピアースは振り返る。
現役時代、ピアースは巧みなクロスオーバーからリングへ向かって跳び上がり、ディフェンダーの目の前から何度もダンクを叩き込んで“ポスタライズ”してきた。ハイライトではダンクやブザービーターなどのクラッチショットが最も絵になると言っていいだろう。
だがその一方で、アイバーソンの登場とともにクロスオーバーや超絶ハンドリングで相手ディフェンダーを抜き去り、アンクルブレイクするハイライトシーンも2000年代に入って急増。ピアースはジョー・ジョンソン(元アトランタ・ホークスほか)の小気味良いハンドリングの前にコートへ手を付けてしまい、あっさりとノーマークのジャンパーを決められたことでハイライトシーンに出てしまうこともあった。
とはいえ、ピアースが現役時代に数多くの勝利を演出してきた勝者であることに変わりはない。所属チームを劇的な勝利へと導いてきた勝負師として、今後も人々の記憶に残り続けるに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)