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NBA

【名作シューズ列伝】バルセロナ五輪がL.A.GEARの最後の花道だった?マローンが着用した「TURBO TECH」

西塚克之

2020.06.03

TURBO TECH

TURBO TECH

「TURBO TECH」には衝撃吸収のための“Catapult System”が装備され、サイドは横振れをサポートする大型のプラパーツがシューホールまで覆われています。



 全体的にシンプルなUSカラーでまとめられていますが、かかとにニックネームの“MAIL MAN”がプリントされています。ちなみに本人着用のシューズではこの部分は刺繍でしたが、市販モデルはプリント製です。



 BOXはL.A.GEARのデフォルト。全体が紺地にブランドロゴが薄く散りばめられています。蓋の上面には大きく白抜きでロゴがデカデカと鎮座しており、商品名のシールは他のメーカーよりも大雑把です。評価ポイントは、シール部分にモノクロのシューズ写真が申し訳程度に貼ってあること。と言ってもこのメリットは、お店が商品の管理や、ユーザーが商品を選ぶ際に便利というくらいです。
 


 ドリームチーム人気に便乗して急遽作成したことは、かかとの“MAIL MAN”プリントからも明らかで、ブランドは千載一遇のチャンスを逃すまいと必死だったのでしょう。ただ前年までのシグネチャーには、本人の肖像が入ったスペシャルBOXがあったため、ブランドの勢いが衰えてきたことを実感しました。

 五輪後に少しだけ息を吹き返したL.A.GEARは、再びマイケル・ジャクソンのシューズを製作して勝負に出ます。しかしマイケルはリリースするはずのアルバムを出すことなく、ブームは起こりませんでした。結局94年にはスポーツ業界から撤退し、マイケルとの裁判沙汰など負債を抱え、倒産の道を歩むことになるのです。

 なお、マローンのプライムタイムは90年代中旬~後半。シカゴ・ブルズとのファイナルで彼の相棒を務めたのはAPEXで、その後CONVERSを着用しました。そういう意味ではL.A.GEARを最後に楽しめたドリームチームには感謝しかありません。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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