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NBA

ブレイザーズOBのラシード・ウォーレスがピッペンを絶賛!「彼のリーダーシップがチームの躍進を後押しした」

秋山裕之

2020.06.13

ピッペンはブレイザーズでは4年間で平均11.4点、5.3リバウンド、5.0アシスト。ブルズ時代から成績は下降したものの、経験豊富なリーダーとしてチームを支えた。(C)Getty Images

ピッペンはブレイザーズでは4年間で平均11.4点、5.3リバウンド、5.0アシスト。ブルズ時代から成績は下降したものの、経験豊富なリーダーとしてチームを支えた。(C)Getty Images

「俺たちはいいチームだった。だが彼のリーダーシップが、ある時点を境にブレイザーズの躍進を後押ししたんだ。このチームに彼が勝利をもたらし、リーダーになっていった。ロッカールームで話したりしてね。6度のチャンピオンシップを勝ち取った人間の話を聞こうとしないヤツなんているかい? 彼はあのチームで鍵を握る重要な存在だったんだ」

 ウォーレスがそう明かしたように、ピッペンの加入でブレイザーズはリーグトップクラスのチームへと飛躍を遂げ、打倒レイカーズの一番手に浮上。プレーオフを順調に勝ち上がり、ウエスト決勝でレイカーズ相手に1勝3敗という窮地から2連勝して第7戦まで持ち込む。大一番では第4クォーター序盤までチームは15点をリード。あと一歩でファイナル進出という状況まで足を踏み入れた。

 ところが、そこからブレイザーズはオフェンスが停滞。レイカーズに反撃を許し、残り約40秒でコビー・ブライアントからシャキール・オニール(シャック)への“伝説のアリウープ”を決められ敗退した。

 シーズン終了後、ブレイザーズはシャック対策として経験豊富なデイル・デイビス、ショーン・ケンプという実力派ビッグマンを加える。しかし01、02年のプレーオフはレイカーズ相手にいずれも1回戦でスウィープ負けを喫した。

 2000年のカンファレンス決勝第7戦から20年が経過した6月4日、『Bleacher Report』に掲載された記事の中には、当時のレイカーズの選手たちがブレイザーズについてこう発言していた。

「おそらく、俺がバスケットボールをプレーしてきた中で、相手としてはベストチームだった」(ロバート・オリー)

「2000年のブレイザーズは最もタフなチームだった。俺たちのことを恐れなかった唯一のチームだったからな」(シャック)
 
 スミスはもしレイカーズに勝っていれば、「俺たちは3連覇していただろう。ジャーメイン・オニールは若手スターであり、サボニスに代わって先発センターを務めていたに違いない。俺らは彼が将来オールスターになれる選手と見ていたんだ」と回顧したものの、ピッペンの見方は違った。

「コビーは本当に本領を発揮し出していた。それは間違いない。だがシャキール・オニールの支配力が一番の敗因だ。我々はあの男とマッチアップすることができなかった。このチームを打ち負かしたのはあの男だったのさ」

 ピッペンを加えてリーグ最高級の選手層を手にしたタレント軍団ブレイザーズは、最大のチャンスに勝ち切ることができず、ファイナル進出も果たすことができなかった。

 それでも、ウォーレスが振り返ったように、ピッペンが加入したことでブレイザーズは人々の記憶に残る素晴らしいチームの1つとなったのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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