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NBA

現地記者が八村塁の“1年”を総評「当初、彼の指名は理解できるものではなかったが…」

秋山裕之

2020.06.21

3ポイントは課題のひとつだが、安定感は今年のルーキーの中でも屈指。ここまで41試合中30試合で2桁得点をマークしている。(C)Getty Images

3ポイントは課題のひとつだが、安定感は今年のルーキーの中でも屈指。ここまで41試合中30試合で2桁得点をマークしている。(C)Getty Images

■ルーキーとしての安定性
”おそらく、ここまでの八村に関して最も周囲を驚かせているのは彼の安定性だろう。出場した41試合のうち、30試合で2桁得点を残している。2004年以降で見てみると、ウィザーズのルーキーとしてはジョン・ウォール(60試合)、ブラッドリー・ビール(39試合)に次ぐ好記録だからだ。

 ただし、今後もっと安定性を高めてほしいのは試合の締めくくりだろう。第4クォーターはここまで平均1.9点、フィールドゴール成功率32.7%にとどまっている”。

■まだ定まっていないポジション
“203㎝・104㎏の八村は、スモールフォワードとパワーフォワードを交互にこなしている。だが時にはセンターも務めたように、ポジションレスバスケットボールという現代のNBAにおいて、彼は完璧にフィットする。

 その一方で、ウィザーズは八村と一緒にプレーできるフォワードを模索している。PFでプレーさせるためにシューターを必要としているのか?それともSFでプレーすべく、リムプロテクター兼リバウンダーが必要なのか?それは八村が攻守両面における自身のゲームを構築させるまで、価値ある疑問になるだろう”。

 八村は今季、シューターのダービス・ベルターンス、ディフェンダーのアイザック・ボンガ、スラッシャーのトロイ・ブラウンJr.らと一緒にプレーしてきたが、スイッチすることで両フォワードをこなしてきた。今後ウィザーズがどのように育成していくのかは楽しみだ。
 
■アウトサイドシューティングの向上
“八村の弱点として挙がるのは、3ポイントシュートの精度。ゴンザガ大3年時に成功率41.7%を残していたとはいえ、試投数は平均約1本に過ぎず、多く放つタイプの選手ではなかった。だがドラフト指名されてから、向上していることは見て取れる。

 今季は平均1.8本放って成功率は27.4%。大学では1試合で3本決めたことはなかったものの、昨年10月30日のヒューストン・ロケッツ戦では3本すべてを成功”。

 オールスター後は38.9%と成功率も上げていることから、今後もシュートレンジを広げて精度を高めることで、オフボールでもより効果的な活躍ができるだろう。
 

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