専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

「4番のカーメロをガードできる選手はいなかった」ニックスが最後に輝きを放った2013年を当時の指揮官が回想

秋山裕之

2020.06.26

カーメロを中心にキッドらベテランを揃えたこの年のニックスは、過去20年で最高の成績をマーク。プレーオフではカンファレンス準決勝まで進んだ。(C)Getty Images

カーメロを中心にキッドらベテランを揃えたこの年のニックスは、過去20年で最高の成績をマーク。プレーオフではカンファレンス準決勝まで進んだ。(C)Getty Images

 だがこのチームの特徴は、なんと言ってもカーメロのパワーフォワード(PF/4番)起用だろう。ウッドソンはアマレをベンチスタートにし、ポイントガードのフェルトンとキッドをバックコートに、チャンドラーをセンター、スモールフォワードにはディフェンダーのシャンパートまたはブリューワーを配置するスターターを形成。水を得た魚のように伸び伸びとプレーしたカーメロは、このシーズンに平均28.7点で自身唯一の得点王となったほか、平均3ポイント成功数では自己最多となる2.3本を沈めた。

 6月24日に掲載された『SNY』の記事の中で、ウッドソンは当時についてこう振り返っている。

「カーメロは多くの4番よりもちょっと小さかったから、ディフェンス面で必要であればカバーすることになると思っていた。でも彼はディフェンスでも踏ん張ってくれたんだ。そしてオフェンス面では、4番のカーメロをガードできる選手はいなかった。1人もね。そのことは我々も把握していたのさ。だからこそ、彼は4番というポジションで活躍できたんだ。そしてあのチームは数多くの勝利を手にすることができた」
 
 カーメロの4番起用のほか、得点力のあるスタッダマイアーとスミスをベンチスタートにしたことも成功の一因と言えるだろう。多くの攻撃機会を得たことでカーメロはキャリア2番目のFG試投数(平均22.2本)を記録するとともに、マッチアップ相手のPFをスピードやスキルで攻略し、高得点を稼いだのである。

 もっとも、カーメロは2008年の北京オリンピックや12年のロンドンオリンピックなど、国際舞台でPFとして活躍してきた実績はあった。12年8月2日のナイジェリア戦ではわずか14分の出場で3ポイントを83.3%(10/12)の高確率で決め、37得点の大暴れを見せたこともあった。

 前指揮官のダントーニHCは当時、アメリカ代表のACを務めていたため、ウッドソンはダントーニからカーメロについていずれ4番で起用するプランを聞いていたと受け取ることもできる。

 いずれにせよ、カーメロをはじめとする選手たちの信頼を勝ち取り、ウッドソンはニックスで近年最後とも言える成功を収めたのだから、もっと評価されていいのかもしれない。ウッドソンが再びニックスで指揮を執るかは別問題だが、カーメロにとってキャリアベストのシーズンを演出したことは間違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!

DAZNなら「プロ野球」「Jリーグ」「CL」「F1」「WTAツアー」が見放題!充実のコンテンツを確認できる1か月無料体験はこちらから

NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号