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NBA

NBA1年目からブロック王に。スーダンが生んだ身長231㎝の“野生児”マヌート・ボル【NBAレジェンド列伝・前編】

出野哲也

2020.08.11

 NBAのスカウトたちの評価は真っ二つに分かれた。あまりにも細すぎ、荒削りすぎるとして敬遠するチームがある一方、驚異的なウイングスパンとブロックの能力に魅せられる球団もあった。ワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)は後者だった。85年のドラフト2巡目でブレッツから指名され、ボルは晴れてNBA入りを果たした。

 ボルのブロックはNBAでも十分に通用した。どんなシュートが放たれようとも、モグラ叩きのように次々と跳ね返すさまは壮観だった。80試合に出場し、リーグ最多の397ブロック。これは今でもリーグ史上2位の本数で、もちろん新人としては最多記録である。ボルがペイント内で腕を上げているだけで相手は攻め込めず、攻撃のリズムが狂ってしまった。同年はオールディフェンシブ2ndチームに選ばれ、最優秀ディフェンス賞の投票でもわずか5票差でアルビン・ロバートソン(サンアントニオ・スパーズ)の次点だった。
 
 ユニークなプレースタイルと、“動くチョコレートポッキー”のような見た目、そして明るくフレンドリーな性格で、ボルはたちまち人気者になった。コマーシャルやテレビ番組の出演依頼も殺到し、気を良くしたブレッツは翌86−87シーズン、身長160cmのマグジー・ボーグスを入団させ、身長差71cmの凸凹コンビで売り出そうとした。

 だが、ボルにはやはりバスケットボールの経験が致命的に不足していた。攻撃面では足手まといになり、身長のわりにはリバウンドも少なかった。ブロック以外にできるのはトラッシュトークだけの一芸選手は、次第に出場時間を減らされていった。(後編に続く)

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2010年9月号掲載原稿に加筆・修正。

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