ただ、リスクがあることを理解した上でも、熱血漢のシボドーを新HCに選んだチームの方向性が間違っているとは思わない。前述した通り、長く低迷を続けるニックスには負け癖が染みついており、今季も手痛い敗戦を味わいながら平然としている選手たちの姿が目についた。そんなチームを変えるのに、シボドーは適任に思えるのだ。
「彼にコーチされたチームは常にハードにプレーしてきた。ディフェンスとリバウンドに挑み、ボールをシェアする。ニックスにもそんな姿勢を持ち込んでくれることを期待しているよ」
スコット・ペリーGMのこの言葉を聞けば、ニックスのフロントが新指揮官に何を望んでいるかがはっきりと見えてくる。
シボドーがニックスのHCを「夢のよう」に感じるのは今だけなのかもしれない。明白なタレント不足という現実があるだけに、再建に向けては茨の道が待ち受けているに違いない。それでも、このフランチャイズの魅力をいまだに信じる62歳の指揮官は、フィル・ジャクソンやマイク・ダントーニといった名将でも不可能だった、ニューヨークの救世主になり得る可能性があるように思える。
今のニックスに必要なのは、ハードワークの精神と負けを心底から悔しがる姿勢。何より、まずはチームのメンタリティを変えることが名門復活に向けた第1歩となる。シボドーがそれをやり遂げられるかどうかに、来季以降、ニューヨーカーの熱い視線が注がれることになるだろう。
文●杉浦大介
※『ダンクシュート』2020年10月号掲載原稿に加筆・修正。
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「彼にコーチされたチームは常にハードにプレーしてきた。ディフェンスとリバウンドに挑み、ボールをシェアする。ニックスにもそんな姿勢を持ち込んでくれることを期待しているよ」
スコット・ペリーGMのこの言葉を聞けば、ニックスのフロントが新指揮官に何を望んでいるかがはっきりと見えてくる。
シボドーがニックスのHCを「夢のよう」に感じるのは今だけなのかもしれない。明白なタレント不足という現実があるだけに、再建に向けては茨の道が待ち受けているに違いない。それでも、このフランチャイズの魅力をいまだに信じる62歳の指揮官は、フィル・ジャクソンやマイク・ダントーニといった名将でも不可能だった、ニューヨークの救世主になり得る可能性があるように思える。
今のニックスに必要なのは、ハードワークの精神と負けを心底から悔しがる姿勢。何より、まずはチームのメンタリティを変えることが名門復活に向けた第1歩となる。シボドーがそれをやり遂げられるかどうかに、来季以降、ニューヨーカーの熱い視線が注がれることになるだろう。
文●杉浦大介
※『ダンクシュート』2020年10月号掲載原稿に加筆・修正。
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