■息の長いキャリアを送り、引退後も話題を振りまく
「俺はバスケットボールが大好きだから、身体がいうことをきかなくなるまでプレーするつもりだ」と語っていたロビンソン。気がつけば同期生で最後の生き残りとなったばかりか、80年代にプレーした最後の選手にもなっていた。入団時に受けた屈辱を晴らし、スカウトたちの見立てが間違いであったことを、彼はそのキャリアで証明してみせたのである。
「現役を長く続ける秘訣は、オフの間は完全にバスケットボールから離れ、ほかの何かに熱中することかな。俺の場合はオフロード・ドライブだけどね。そうすることで、新しいシーズンが始まる時に、再び刺激が呼び覚まされるんだ。それと、若い頃にブレイザーズのベテランたちから貴重なアドバイスをもらったことも、今になって役立っているよ」
キャリアの晩年には若手から「アンクル・クリッフィー」と呼ばれ、コラムニストのピーター・ベクシーには「彼が大学を出た頃、コネティカットはまだイギリスの植民地だった」と冗談を書かれた。しかしベクシーはその一方で、「ロビンソンがこれほど献身的なプレーヤーとなり、誰からも好意を持たれるような人物になるとは、正直、入団当初は思わなかった。彼の成し遂げたことには敬意を払わずにいられない」とも綴っている。
40歳になった2006-07シーズンを最後に現役を引退。結局、一度も優勝はできなかったが、常に強いチームでプレーしたこともあり、18年間で17度のプレーオフ出場を果たした。
引退後は投資に失敗して破産宣告を受け、豪邸も手放してしまったが、世界中を騒がせたデニス・ロッドマンの北朝鮮訪問に同行したり、人気テレビ番組『サバイバー』に出演するなど、何かと話題を振りまいた。大麻の効用を熱心に説き「NBAで長くプレーできたのも大麻のおかげ」とも言っていた。ヘザー夫人もリアリティ番組に出演するなど、夫婦揃ってなかなかの目立ちたがりであったようだ。
新人の頃、汗が目に入らないようにと使い始めたヘッドバンドは、散々ダサいと冷やかされたが、今ではNBAプレーヤーのファッションアイテムのひとつになった。3ポイントが打ててディフェンスもいいビッグマンも、現代NBAの主流になっている。そう考えると、ロビンソンは時代を先取りしていた選手だったと言えるかもしれない。少なくとも“あのヘッドバンドのヤツ”という認識だけで済ませるべきプレーヤーではなかったはずだ。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2014年4月号掲載原稿に加筆・修正。
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「俺はバスケットボールが大好きだから、身体がいうことをきかなくなるまでプレーするつもりだ」と語っていたロビンソン。気がつけば同期生で最後の生き残りとなったばかりか、80年代にプレーした最後の選手にもなっていた。入団時に受けた屈辱を晴らし、スカウトたちの見立てが間違いであったことを、彼はそのキャリアで証明してみせたのである。
「現役を長く続ける秘訣は、オフの間は完全にバスケットボールから離れ、ほかの何かに熱中することかな。俺の場合はオフロード・ドライブだけどね。そうすることで、新しいシーズンが始まる時に、再び刺激が呼び覚まされるんだ。それと、若い頃にブレイザーズのベテランたちから貴重なアドバイスをもらったことも、今になって役立っているよ」
キャリアの晩年には若手から「アンクル・クリッフィー」と呼ばれ、コラムニストのピーター・ベクシーには「彼が大学を出た頃、コネティカットはまだイギリスの植民地だった」と冗談を書かれた。しかしベクシーはその一方で、「ロビンソンがこれほど献身的なプレーヤーとなり、誰からも好意を持たれるような人物になるとは、正直、入団当初は思わなかった。彼の成し遂げたことには敬意を払わずにいられない」とも綴っている。
40歳になった2006-07シーズンを最後に現役を引退。結局、一度も優勝はできなかったが、常に強いチームでプレーしたこともあり、18年間で17度のプレーオフ出場を果たした。
引退後は投資に失敗して破産宣告を受け、豪邸も手放してしまったが、世界中を騒がせたデニス・ロッドマンの北朝鮮訪問に同行したり、人気テレビ番組『サバイバー』に出演するなど、何かと話題を振りまいた。大麻の効用を熱心に説き「NBAで長くプレーできたのも大麻のおかげ」とも言っていた。ヘザー夫人もリアリティ番組に出演するなど、夫婦揃ってなかなかの目立ちたがりであったようだ。
新人の頃、汗が目に入らないようにと使い始めたヘッドバンドは、散々ダサいと冷やかされたが、今ではNBAプレーヤーのファッションアイテムのひとつになった。3ポイントが打ててディフェンスもいいビッグマンも、現代NBAの主流になっている。そう考えると、ロビンソンは時代を先取りしていた選手だったと言えるかもしれない。少なくとも“あのヘッドバンドのヤツ”という認識だけで済ませるべきプレーヤーではなかったはずだ。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2014年4月号掲載原稿に加筆・修正。
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