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NBA

「自分を見ているよう」とヤニスが語る、アデトクンボ家の末弟アレックスがスペインでプロデビュー。明かされた兄弟間の知られざるエピソード

小川由紀子

2020.10.26

 ムルシアはバルセロナから470kmほど南下した、スペイン南東部にある町。人口はスペインで7番目という、意外なほどこじんまりしたところだ。

 けれどバスケットボールは盛んで、ムルシアの本拠地もアリーナというより“体育館”だが、スペイン代表が合宿することもある。バスケットボールに集中したいアレックスにとっては理想的な環境だ。

 若手の育成にかけても定評があり、現HC(ヘッドコーチ)のシト・アロンソはかつてスペインU20の指揮官を務めるなど、とりわけ若い人材の扱いに長けている。リッキー・ルビオ(フェニックス・サンズ)を輩出したホベントゥートで彼を指導していた人物でもあるのだ。

 ロースターはアメリカ人、アフリカ人、ブラジル人、ヨーロピアンなど国際色豊かで、最年少である19歳のアレックスから35歳のベテラン選手まで、各世代が融合。今季はこれまで3勝3敗で、現在11位につけている。
 
 そして開幕前の9月末には、ヤニスとタナシスが末っ子の激励に訪れた。レイカーズの一員としてNBAファイナルに挑むコスタスを応援するか迷った挙句、2人の兄はムルシア行きを決めたのだという。

「弟の激励に来ることができてハッピーだ。3か月半くらいバブルにいたからしばらく会えていなかったしね。その間、彼はずっと1人でここで頑張っていたから、会えて本当に嬉しい。ちゃんと家を掃除しているか、ベッドメイクしているかもチェックしたかったからね!メンタル的にもしっかりフォーカスできているみたいだし、シーズンに向けて準備万端のようだ」

 そう話したヤニスは、アロンソHCにも弟の様子をしっかりと確認していた。

「シトとも話をしたけれど、『ここでしっかり学んで戦っていくことに集中できている』と言っていた。兄としては、それを聞けて何より嬉しいよ。彼は俺の大事な弟で、彼のためにできるサポートはなんでもしてあげたいと思っている。弟たちは俺らの自慢なんだ。小さい頃からずっと見ているけれど、彼らはいつもハードに頑張ってきた。だから、彼らのことを本当に誇りに感じているんだ」
 
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