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NBA

「自分を見ているよう」とヤニスが語る、アデトクンボ家の末弟アレックスがスペインでプロデビュー。明かされた兄弟間の知られざるエピソード

小川由紀子

2020.10.26

「今のアレックスは、同じ年の頃の自分とよく似ている。彼はどうやら、俺と同じような見方ができるみたいだ。今はできないプレーも、このまま成長を続ければきっとできるようになる。コスタスも同じような体つきをしていて、ジャンプもできるしブロックもできる。だけどメンタル面では、アレックスが自分に一番近い。彼は“キラー”だ」

 NBAのスターになってからも、ヤニスは多忙なスケジュールの合間を縫って、弟のハイスクールの試合に可能な限り足を運んでいた。そして、そのパフォーマンスに満足しないと、試合後にトレーニングに連れ出していたという。無断でアレックスが遅くに帰宅した時などは、罰としてバックスのトレーニング場で鬼のようなシューティング練習を課すこともあったそうだ。

「兄貴は体育館に住んでいる」とアレックスとコスタスはジョークにしているとのことだが、その姿を自ら見せることで“そこまで徹底したトレーニングを習慣にすることでのみ成長できるのだ”と兄は弟たちに教えてきたのだった。
 
 だから目標とする選手を尋ねられても、「いつも家であれだけのモチベーションやリーダーシップを見てきたから、兄たち以外は思い浮かばない」とアレックスは言う。

 4人が集まる機会があれば、ヤニス&アレックス対タナシス&コスタスの2チームに分かれて2オン2をするそうだが、なんとも興味をそそられる対戦だ。ギリシャでは「そのうちギリシャ代表は“チーム・アデトクンボ”に名称を変える」などという現実味のあるジョークも飛んでいる。長男のフランシスも、代表レベルでこそないが、サッカーとバスケットボールの両刀使いの万能アスリートだ。

「兄弟でこれだけ優秀な選手を輩出しているのは珍しいよね?」とインタビューで聞かれた際、アレックスは「本当にクレイジーだよね」と笑って答えたあと、こうも言っていた。

「でも、それ以上に素晴らしいのは、僕たちがものすごく仲が良くて、お互いが強い絆で結ばれている、ということだ。そのことが何より嬉しい」
 
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