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NBA

“相思相愛”のピストンズから7位指名を受けたキリアン・ヘイズ。レジェンドOBトーマスも入団を歓迎

小川由紀子

2020.11.23

 ヘイズにとって、デトロイトは第一希望だった。彼のエージェントが、出身クラブであるショレ・バスケットの地元紙『ウエスト・フランス』紙に語ったところでは、その理由の第一に、いくつかのフランチャイズのなかでもっともプレータイムを確約してくれたことを挙げている。

 ヘイズ陣営が描くキャリアプランは、ルーキーイヤーからしっかりプレーできる状況を実現することだった。そのため、今年のドラフトエントリーを目標に3年計画を立て、2017-18シーズンにプロデビュー。そしてアメリカに渡る直前の3年目には、欧州カップ戦でレギュラーとしてプレーすることをプランの最終段階に設定していた。“NBAで成功しているヨーロッパ出身のプロスペクトは、アメリカに渡る前に欧州のクラブですでに責任ある役割を担っていた”という前例に基づいたプランニングだ。
 
 ただ、プロデビューしたショレ・バスケットで3年間をまっとうするのが理想だったが、欧州のカップ戦出場が叶わなかったため、ドイツのウルム・ラティオファームへ移籍。そこで計画どおり、ユーロカップ10試合にすべてスターティングガードとして出場する。チームは1勝9敗に終わりレギュラーシーズンで敗退したものの、平均12.8点、アシスト数はチームハイの6.2と最年少ながら司令塔役を果たし、プロとしての自覚も養われた。

 しかし、ヘイズの心がデトロイトに大きく傾いたのは、プレータイムの確約だけでなく、フロントやコーチ陣と対面したときのフィーリングだったと代理人のヤン・バリクズーは語っている。

「バスケットボールの世界では、とりわけガードとHC(ヘッドコーチ)の関係性は重要だ。デトロイトが彼を選んだのは理由があってのこと。彼らと会談した際の雰囲気もとても自然だった。いつもは寡黙なキリアンもよく話していて、コーチとの間にも絆が芽生えていたんだ。彼らが帰ったあとキリアンは言っていた。『確信したよ。僕はデトロイトに行く。彼(ケイシーHC)が僕をハグしたときの感触でわかったんだ!』とね」
 
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