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NBA

ドラフトロッタリーの「悲喜劇」にも格差が?幸運&不運なチーム「トップ3」をピックアップ

大井成義

2020.11.16

昨年まで1度も指名順位を上げたことがなかった不運なウルブズだが、今年のロッタリーではジャンプアップし1位指名権を獲得。負の連鎖をついに断ち切った。(C)Getty Images

昨年まで1度も指名順位を上げたことがなかった不運なウルブズだが、今年のロッタリーではジャンプアップし1位指名権を獲得。負の連鎖をついに断ち切った。(C)Getty Images

 1985年以降、ドラフト1位指名権はプレーオフを逃したチームによる抽選で決定することになった。現在は、成績の悪いチームの方が、より1位指名権を獲得しやすいシステムになっているが、思惑通りに事が運ばないのが世の常。確率わずか1.52%から1位指名権を獲得したチームがある一方、1度も指名順をアップさせたことのない嘘のようなチームも存在する。

 毎年、悲喜劇が繰り広げられるドラフトロッタリー。この筋書きのないドラマにおける勝者と敗者をピックアップしてみた。

 なお、データは2018年掲載時のものであり、追記事項は(※)として加筆した。
 
■ドラフトロッタリーでの幸運&不運なチームは?

 “Lottery”という単語には、“くじ引き、抽選、宝くじ”といった一般的な意味以外に、“運”という意味もある。現在のNBAドラフトロッタリーは、レギュラーシーズンの成績が悪かったチームに対し、上位指名権獲得のチャンスを与えるという仕組みになっている。成績が悪ければ悪いほど、より高い指名順位を獲得できる確率が増すわけだが、抽選である以上、そこには科学で説明することのできない“運”も大きく作用する。

 黎明期のNBAドラフトには、運の要素はさほどなかった。第1回のドラフトがデトロイトで開催されたのは、NBAの前身、BAAが創設された翌年の1947年。集客に苦しんだリーグは、地元の大学や街からの観客を取り込もうと、1949年から“テリトリアル・ピック(地域指名)”の制度を導入する。ホームアリーナを中心に、半径50マイル(約80㎞)内にある大学の生徒や、地元出身選手を優先的に獲得できるというものだった。

 1966年から、両ディビジョン(1970-71シーズン以降はカンファレンス制)の最下位チームがコインの裏表で1位指名権を争う“コインフリップ”が導入される。ここでようやく運の要素が入り込んでくるわけだが、最下位になりさえすれば50%の確率で1位指名権を獲得できることから、試合にわざと負ける“タンキング”が横行。業を煮やしたリーグは、1985年のパトリック・ユーイング争奪戦を防止するため、ロッタリー制度の導入に踏み切った。1990年にはピンポンボールマシンによる確率調整システムが採り入れられるなど、メジャー&マイナーチェンジを加えながら、現在に至っている。
 
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