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NBA

渡邊雄太がラプターズのトレーニングキャンプに参加へ。元王者が求める“理想の選手像”は?

秋山裕之

2020.11.29

 アトランタ・ホークスから加入したベンブリーは、セントジョセフ大時代、ジョージ・ワシントン大に所属していた渡邊と何度も対決し、マッチアップを繰り広げてきた。NBAではキャリア4年で3ポイント成功率26.9%、フリースロー59.2%とシュート力には難があるが、ペリメーターのディフェンスに定評があり、ラプターズでもディフェンダーとして起用される見込みだ。

「ラプターズのシステムは非常に多様性がある。4アウト1インのケースが多いが、我々は各選手に何でもできるように求めることが多い。例えばシアカムだったり、アヌノビーというように、(ナチュラルポジションが)ポイントガードではなくてもボールをしっかり運んだり、3ポイントを打ったり、ウイングとインサイドを問わずにしっかりプレーできるような、ポジションを問わずプレーできる選手を求めていることが多い」
 
 昨年10月のジャパンゲームズ前に、ニック・ナース・ヘッドコーチはそう話しており、チームが求めるのは理想の選手像は複数のポジションをこなすことができ、攻守で活躍できる人材と言える。

 ボールマンへの多彩なディフェンス、場合によってはボックス&ワンを敷くなど、ラプターズには多くの戦術があるため、選手たちには高いアジャスト能力が求められる。

 ただし、渡邊には複数のポジションをガードできるディフェンス力を備え、サウスポーというのも魅力だ。Gリーグではポイントガードとしてボールハンドラーを務めたこともあるだけに、トレーニングキャンプやプレシーズンで3ポイントを高確率で決め、ハンドラーとしてもアピールできれば、本契約を結ぶチャンスはあるだろう。

 もっとも、仮に開幕ロースター入りできなくとも、ラプターズは傘下のGリーグチーム、ラプターズ905で経験を積ませて選手育成に成功しているチームのひとつ。シアカムやヴァンブリート、ブーシェなど、現有戦力でローテーション入りしている選手たちの活躍ぶりを考慮すると、渡邊がラプターズという組織で経験を積むことは今後のキャリアに向けて大きなプラスとなるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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