ウィザーズはここまでビールがチームトップの平均32.0点を稼ぎ出し、オフェンスを牽引。ウエストブルックも出場した３試合すべてでトリプルダブルを達成しており、平均19.0点、13.7リバウンド、12.7アシストと驚異的なスタッツを残している。

「私はルイをコーチングするのが大好きでね。まだラッセルとは（試合で）プレーしていないが、（ルイの復帰で）チームの引き出しが増える。安定したプレーとシュート力をこのチームにもたらしてくれるだろう。ディフェンス面に関しては、複数のポジションを守れる。それに（小さな選手にも）抜かれることがない。大きな選手に対して当たり負けしないから、スイッチがより効果的になるんだ」とブルックスＨＣ。

　さらにビールは「ルイが明日、復帰することは大きいね。コート上の武器がひとつ増える。俺たちにとってトッププレーヤーの１人。このチームに欠かせない戦力だ」と語っており、フロントコートの相棒ブライアントも「ルイが帰ってきて、すごく嬉しいよ。彼はオフェンスとディフェンスの両面でインパクトをもたらすんだ。それに４番（パワーフォワード）なので本当に助かる」と大歓迎している。

　コート上を縦横無尽に駆け抜ける走力を持つ八村は、ウエストブルックが仕掛けるファーストブレイクの先陣を切ってリングへと走り、力強く鋭いレーザーパスを受けてイージーショットを決めることができるだろう。オフェンス時におけるチームのスペーシングについては依然として課題が残るものの、八村の正確なミドルレンジジャンパーや成長中の３ポイント、そしてウエストブルックやビールとの２メンゲームは間違いなく大きな武器となるはずだ。
  「今、皆が怒っている。でもそれはいいことなんだ。このエネルギーを使って向上しようとしている。今日の練習はすごく良かった。フィルムセッションも良かった。地道にやっていくなかで、たった一歩に過ぎないけど、毎日着実に努力していかなければいけない」

　30日のチーム練習についてそう振り返ったビール。31日の試合でブルズにリベンジを果たし、今季初勝利を掴むべく、チームの士気も高まっていると言っていい。

　ブルズ戦で八村が主にマッチアップするのはラウリー・マルッカネン。213cmのサイズを誇るストレッチ４で、自慢のシュート力を武器に軽々と20得点を稼ぎ出す危険な存在だ。フィジカル面では八村に分があるものの、１対１だけでなくチームでデザインされたプレーからも正確なショットを繰り出してくる。ディフェンス時にチームメイトとコミュニケーションを密に取り、少しでも失点を減らしていきたいところだ。

文●秋山裕之（フリーライター）

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