稀代の勝負師による劇的なブザービーターが決まった瞬間、ブレイザーズの実況と解説は沈黙。そして会場を埋めたブレイザーズファンから大きなどよめきが沸き起こる。その後、シード順位を争っていたキングスが敗れたことで、レイカーズの地区優勝とウエスト2位が決まった。
延長に持ち込んだ同点弾について、シャックは「彼が『勝ってホームに帰ろうぜ』と俺に言ってきた。あれは偉大な選手のサインであり、自信に満ちあふれたショットだった」とコビーを称えたが、実はこの試合、一歩間違えればコビーは戦犯だった。
3点を追う第4クォーター残り55.7秒にフリースローを2本とも外し、残り15秒に放った3ポイントもミス。さらに2度目の延長残り2.2秒には、ゲイリー・ペイトンからのスローインをファンブルしてしまい、あわやターンオーバーというケアレスミスをしていたのだ。
だが、そういったミスをクラッチショットで相殺してしまうのがコビーという男。今となっては、この試合の勝負所でコビーがミスしたことを覚えている人はほとんどいないだろう。どれだけミスを犯したとしても、最後は勝者として記憶されたコビーを象徴するような一戦だった。
文●秋山裕之(フリーライター)
※ダンクシュート『コビー・ブライアント追悼号』原稿に加筆・修正
【PHOTO】「Mr.レイカーズ」&「Mr.NBA」史上最高のスーパースター、コビー・ブライアント特集!
延長に持ち込んだ同点弾について、シャックは「彼が『勝ってホームに帰ろうぜ』と俺に言ってきた。あれは偉大な選手のサインであり、自信に満ちあふれたショットだった」とコビーを称えたが、実はこの試合、一歩間違えればコビーは戦犯だった。
3点を追う第4クォーター残り55.7秒にフリースローを2本とも外し、残り15秒に放った3ポイントもミス。さらに2度目の延長残り2.2秒には、ゲイリー・ペイトンからのスローインをファンブルしてしまい、あわやターンオーバーというケアレスミスをしていたのだ。
だが、そういったミスをクラッチショットで相殺してしまうのがコビーという男。今となっては、この試合の勝負所でコビーがミスしたことを覚えている人はほとんどいないだろう。どれだけミスを犯したとしても、最後は勝者として記憶されたコビーを象徴するような一戦だった。
文●秋山裕之(フリーライター)
※ダンクシュート『コビー・ブライアント追悼号』原稿に加筆・修正
【PHOTO】「Mr.レイカーズ」&「Mr.NBA」史上最高のスーパースター、コビー・ブライアント特集!