専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

すべてのミスを劇的弾で相殺。最後は常に勝者として記憶された“コビーという男”を象徴する一戦【コビー・ブライアント名勝負:Part.3】

秋山裕之

2021.01.25

試合時間残り1.0秒。コビーが放った3ポイントは、綺麗な弧を描いてリングを射抜いた。(C)Getty Images

試合時間残り1.0秒。コビーが放った3ポイントは、綺麗な弧を描いてリングを射抜いた。(C)Getty Images

 稀代の勝負師による劇的なブザービーターが決まった瞬間、ブレイザーズの実況と解説は沈黙。そして会場を埋めたブレイザーズファンから大きなどよめきが沸き起こる。その後、シード順位を争っていたキングスが敗れたことで、レイカーズの地区優勝とウエスト2位が決まった。

 延長に持ち込んだ同点弾について、シャックは「彼が『勝ってホームに帰ろうぜ』と俺に言ってきた。あれは偉大な選手のサインであり、自信に満ちあふれたショットだった」とコビーを称えたが、実はこの試合、一歩間違えればコビーは戦犯だった。
 
 3点を追う第4クォーター残り55.7秒にフリースローを2本とも外し、残り15秒に放った3ポイントもミス。さらに2度目の延長残り2.2秒には、ゲイリー・ペイトンからのスローインをファンブルしてしまい、あわやターンオーバーというケアレスミスをしていたのだ。

 だが、そういったミスをクラッチショットで相殺してしまうのがコビーという男。今となっては、この試合の勝負所でコビーがミスしたことを覚えている人はほとんどいないだろう。どれだけミスを犯したとしても、最後は勝者として記憶されたコビーを象徴するような一戦だった。

文●秋山裕之(フリーライター)

※ダンクシュート『コビー・ブライアント追悼号』原稿に加筆・修正

【PHOTO】「Mr.レイカーズ」&「Mr.NBA」史上最高のスーパースター、コビー・ブライアント特集!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号