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NBA

ギリシャバスケ界のレジェンド、スパノーリスが明かした“知られざるコビーとの絆”〈DUNKSHOOT〉

小川由紀子

2021.03.15

「間近で見られただけでも感激だったのに、当時世界No.1プレーヤーだった彼からそんなありがたい言葉を聞けるなんて……。彼の飾らない態度に本当に感動した。彼ほどの選手がルーキーに言葉をかけるなんて、普通はあることじゃない。若かった自分にとっては、あまりにかけがえのない体験だった」

 そして2年後の北京五輪で、2人はギリシャとアメリカそれぞれの代表メンバーとして対戦することになる。

 スパノーリスをマークする役目を担ったのはコビーだった。このときは92-69でアメリカが勝利したが、コビーは18得点、4リバウンド、2アシスト。対するスパノーリスは14得点、4リバウンド、2アシストと、両者はなかなかの接戦を演じていた。

 そしてそれから3年後の2011年、アテネで開催されたNIKEのイベントにコビーが招かれ、2人はより親密な再会を果たす。コビーとスパノーリス、それぞれが3x3のトーナメントを勝ち抜いたチームのコーチとして決勝戦に挑み、結果はコビーのチームが優勝。以前からギリシャのバスケ熱の凄さを耳にしていたコビーは、それを直に見て感銘を受け、再訪を誓っていた。
 
 さらにコビーは短い滞在の合間にスパノーリスをディナーに誘い、2人は2~3時間テーブルをともにして、多くのことを語り合ったという。

「コビー・ブライアントとテーブルをともにできるなんて、僕にとっては夢のような体験だった」

 そうポッドキャスト内で振り返ったスパノーリス。コビーはスパノーリスのキャリアについて「正直、彼はまだNBAでプレーすべき選手だと思う。当時の状況は理解できる。それに、彼自身が自分の将来や家族にとってベストな選択をしたのだろう。ただ、考え直す余地はある。まだ若いのだからね」と語っていた。

 2011年当時、スパノーリスは29歳。2007年にロケッツを退団し、NBAから離れてから4年、パナシナイコスからオリンピアコスに移籍し、まさにレッズの黄金時代を築こうとしていたところだったため、その頃の彼はギリシャでのキャリアに満足していたが、“失敗”の烙印を押されたNBA挑戦についてコビーの口から出た言葉に、胸を熱くしたに違いない。
 
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