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NBA

守備型の“ジョーダン時代”は過去の話。2000年以降のNBAがハイスコアゲーム化した3つのポイント

出野哲也

2019.10.25

10年代最強チームのウォリアーズは、カリーを筆頭に優秀なシューターを揃えたパス&シュート型チームの完成形だ。(C)Getty Images

10年代最強チームのウォリアーズは、カリーを筆頭に優秀なシューターを揃えたパス&シュート型チームの完成形だ。(C)Getty Images

 例えば、4度頂点(03050714年)に立ったスパーズは、21世紀最高のビッグマンであるティム・ダンカンを擁していたとはいえ、幾度もパスをつないでシュートチャンスを生み出す新旧両方のスタイルを融合していた。レブロン・ジェームズが優勝した時のヒート(1213年)とキャバリアーズ(16年)も、旧来型のビッグマンは不在。そして10年代の最強チーム(151718年優勝)であるウォリアーズは、ステフィン・カリーを筆頭に優秀なシューターを数多く揃えたパス&シュート型チームの完成形であった。一連のルール変更は、NBAのチーム作りにおいて多大な影響をもたらしたのだ。

 3ポイントが増えた理由はもうひとつ、10年代に入って急速に進化したデータ分析にも求められる。シュート成功率と得点効果を考えた場合、多少確率が低くなっても、ミドルレンジ~ロングレンジの2ポイントシュートより3ポイントシュートのほうが効率的という考えが広まり、戦術として奨励され始めたのだ。プロ入りして最初の8年間で31本しか3ポイントを打たなかったセンターのブルック・ロペスが、1617シーズンに突然400本近くも打つようになったのが顕著な例である。
 
 結果として、1112シーズンにリーグ全体で18.4本だった平均3ポイント試投数は、7年後の昨季には32.0本と2倍近くへ急増。カリーやケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンらはまるでレイアップであるかのごとく3ポイントを決め、1516シーズンにはカリーが年間成功数で300本の大台を初めて超えただけでなく、一気に402本まで到達した。

 3ポイント全盛時代の到来は、ロングシュートを打てるビッグマンの増加とも深く関連している。その昔、高身長選手の働き場はほとんどインサイドに限られ、広いシュートレンジを持っていても3ポイントラインの外に出てプレーすることは稀だった。その常識を変えたのがヨーロッパ出身の選手たちだ。

 NBAほどフィジカルではなく、高身長選手が自由にロングシュートを打てる環境から、ダーク・ノビツキー(ドイツ)やペジャ・ストヤコビッチ(クロアチア)が現われた。それに影響されてアメリカ人のビッグマンも、3ポイントを打てる者はどんどんトライするようになった。こうしてケビン・ラブのようなストレッチ4(パワーフォワード/PF)が生まれ、さらにはロペスやカール・アンソニー・タウンズらストレッチ5(センター)までも出現した。

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