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NBA

「いつか声がかかれば…」“脇役界のスーパースター”オリーが殿堂入りへの本音を吐露「僕は7つのリングを持ってる」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.04.28

 だが、この男の真骨頂はプレーオフでの活躍にある。16年のキャリアすべてでポストシーズンに出場し、ロケッツでは主力として94、95年の2連覇、レイカーズでは頼れるシックスマンとして2000~02年に3連覇、スパーズではロールプレーヤーとして05、07年と2度の優勝を勝ち取ってきた。

 95年のプレーオフではカール・マローン、チャールズ・バークレー、デニス・ロッドマン、ホーレス・グラントというオールスターPF相手に奮戦。オフェンスではストレッチ4のパイオニアとして勝負所で3ポイントを繰り出してチームを救い、優勝に大きく貢献。

 レイカーズでは名脇役としてシャキール・オニールとコビーというリーグ史に残るスーパーデュオを攻守でサポート。01年のファイナル第3戦では試合を決める3ポイント、02年のカンファレンスファイナル第4戦では逆転ブザービーターなど、“ビッグショットロブ”という異名の通り、類まれな勝負強さを遺憾なく発揮して窮地を救ってきた。

 スパーズではダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリのビッグ3と共闘。05年のNBAファイナル第5戦では延長残り5.8秒に決勝弾となる3ポイントをお見舞いし、ピストンズをねじ伏せた。
 
 オリー本人が話していたように、NBA史上7つのチャンピオンリングを手にした選手は極めて稀であり、セルティックスが前人未到の8連覇を達成した期間に現役としてプレーした選手たちを除くと史上最多の優勝回数となっている。

 キャリア平均や通算記録といったスタッツ面だけで見れば、オリーは長いキャリアを送った一選手に過ぎない。だがシーズンの大一番であるプレーオフで残したインパクトを加味すれば、オリーのステータスは大きく上がるだろう。

 殿堂入りの部門で“脇役界のスーパースター”や“プレーオフで最もインパクトを与えた選手”といった新たな枠が加わらない限り、オリーの殿堂入りが実現する可能性は低い。それでも、ロケッツ、レイカーズ、スパーズという3つの球団で複数回の優勝を手にした経験は、もっと評価されてもいいのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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