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NBA

8年ぶりのプレーオフを狙うニックスに欧州から強力助っ人加入か。“もっと観たくなる選手”ルカ・ビルドーサのすべて<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.05.02

 ただ、欧州でキャリアを積み上げ、当時35歳とベテランルーキーとしてNBAへ乗り込んだプリジオーニとは違い、ビルドーサは現在25歳。これから開花していく選手だ。

 彼のプレー集を観れば「もっと観たい!」と思う人が多いだろう。アメリカ発の彼の批評には「アスレチック能力は月並み」と書かれたものもあるが、いわゆる“跳躍力がもの凄い”だとか“直線スピードがずば抜けて速い”タイプではない。

 しかしさすがはリオネル・メッシを生んだ国。ラテン系の球技アスリートにありがちな、独特のリズム感でボールをコントロールするのが上手く、ボールの動きと身体が一体化している感じだ。ノールックパスや股下パス、トリッキーなシュートなど「今のプレー、どうやった?」と二度見したくなるような小技が、見事に動きのなかに溶け込んでいる。
 
 ハーフコートオフェンスのパスワークで生きるタイプで、ピック&ロールの使い方も上手い。しかもクラッチタイムに輝く強心臓の持ち主。前述した昨シーズンのバルセロナとの国内リーグファイナルは、残り10秒で67-67の同点という緊迫した場面でバスコニアが最後の攻撃チャンスを得ると、ビルドーサがひらりとゴール前に滑り込んでパスを受け取り、ひょいっと決めて勝利を奪った。

 今シーズンのユーロリーグでのスタッツは、32試合で平均10.4点、3.5アシスト。スコアラーよりはパサーで、本人は「自分はボールが手元にないと良さを発揮できないタイプ」だというが、オフボール時のポジショニングもなかなか巧みだ。

 数年前から肉体改造に取り組んでいて、朝食、間食は摂らず1日2食の厳しいダイエットを敢行。スペインに来た時には87kgあった体重を、筋力を落とすことなく77kgまで絞ったという。

「パワーは衰えず、より動けるようになって、身体のキレも良くなった」と言うが、慣れない時は空腹に耐えきれず、アルゼンチン代表合宿の最中にこっそりマクドナルドに行ったところをチームスタッフに見つかって、こっぴどく叱られたこともあるそうだ。
 
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