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NBA

8年ぶりのプレーオフを狙うニックスに欧州から強力助っ人加入か。“もっと観たくなる選手”ルカ・ビルドーサのすべて<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.05.02

「だけど身近に最高の手本がいる。ファクンド・カンパッソとルイス・スコラ(元ヒューストン・ロケッツほか)だ。ファクンドはとにかくフィジカルレベルが常人とはまったく別次元。それからスコラは40代になっても高いレベルをキープしている」と、アルゼンチン代表の先輩の名を挙げたビルドーサ。

 そのカンパッソは、今シーズンからデンバー・ナゲッツでプレーしている。近年アルゼンチンのバスケットボールのレベルが向上していることは、2019年の世界選手権を視察に訪れたマヌ・ジノビリ(元サンアントニオ・スパーズ)も指摘していた。

 ジノビリにとっての新世代のプレーヤーは、フロアに突っ込むような昔ながらの選手ではない。「ルカ(ビルドーサ)らは、思わず『奴らはなんてクレイジーなんだ!』と叫びたくなるようなプレーをする」とポッドキャストで話しており、そんなアルゼンチン代表が東京オリンピックで見られるのは、非常に楽しみだ。
 
 ビルドーサ曰く、アルゼンチン人には「お互いのために自分を犠牲にしてがんばる」という独特のアイデンティティがあるという。

「勝利のためにできることはすべてやる。たとえケガをしている時であっても、あとほんの少しでも余計にがんばれないかと努力する」

 そんな熱い姿勢、そして10年ぶりのタイトル獲得に貢献した英雄としても、彼はバスケタウンであるビットリアのサポーターから崇められている。

 2013年以来のプレーオフ進出が現実味を帯びてきたニックスにとっても、常に200%の力をチームのために出し切り、能力もガッツもある彼のような選手は貴重な戦力になるだろう。「なんにもないような小さい町が好き」という彼には、ニューヨークは大都会すぎるかもしれない。だが、マディソンスクエア・ガーデンのニックスファンからプリジオーニが愛されたように、バルドーサもきっとニューヨーカーたちを魅了することだろう。

文●小川由紀子

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