そんなリラードにとって、印象に残っているのは08年の北京オリンピックを制したリディームチーム。前回のアテネ大会で3位、06年の世界選手権(現ワールドカップ)でも3位に終わったことで、アメリカ代表は王国復権を掲げてレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)やコビー・ブライアント(元レイカーズ)、ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)、ドゥエイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか)、クリス・ポール(現フェニックス・サンズ)といった超一流の選手たちを送り込み、見事金メダルを獲得した。
「あのチーム(リディームチーム)はすごく楽しそうだった。本当に多くのスターたちが一丸となってプレーしていた。アンセルフィッシュであり、楽しんでいたんだ。チームの選手たちは、普段所属しているNBAチームで背負っている責任もなく、どこか自由にプレーして最高の時間を過ごしていたように見えた。それで俺はアメリカ代表でプレーすることにすごく興味を持ち始めた。この経験、それに家族と国を代表して大舞台でプレーすることはすごく大きな意味があると思ったんだ」
オリンピックでは3大会連続で金メダルを手にしているとはいえ、直近の大会で7位だったことを考えると、08年のリディームチームとどこか重なる部分があるのかもしれない。
はたして、名将ポポビッチ率いるアメリカ代表は東京オリンピックでどんなロースターを送り込んでくるのか。今後の動向からも目が離せない。
文●秋山裕之(フリーライター)