専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
東京五輪

「我々の時代とは違う」ユーイングが黒星スタートのアメリカ代表に同情「世界が追いついた」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.07.26

 ユーイングは92年当時と現在のアメリカ代表についてこう話す。

「私はコーチの(グレッグ)ポポビッチとアメリカ代表を応援している。でも今、我々が生きている世界は、運の悪い時でもある。COVID-19(新型コロナウイルス)のプロトコルで選手を失ってしまった。それに過去のドリームチームの存在があるから、今はプレーすることが難しくなっている。現在プレーしている選手たちは皆、ドリームチームを見て育ってきたし、我々が世界を相手に支配していたのを見ている。でも今は世界が(アメリカ代表に)追いついたんだ」

「(世界には)才能溢れる選手たちがたくさんいる。NBAでもトッププレーヤーたちの何人かは世界に広がっているからね。我々がプレーしていた時代とは違うんだ」

 NBAにおける外国籍選手たちの台頭は年々進んでおり、特にビッグマンではヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/ギリシャ)にニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/セルビア)、ゴベア、ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/カメルーン)と、リーグ屈指の実力者たちがズラリと揃っている。
 
 バルセロナ五輪は今から30年近くも前のこと。ドリームチームに魅了された世界各国は、当初はその華麗なプレーの数々に憧れを抱いていたものの、彼らを倒すべく本格的に育成に取り組み、現在では真っ向勝負ができるレベルまで達した。ドリームチームの影響で、バスケットボールに革命が起き、よりハイレベルな競技へと進化していったと言えるだろう。

 なお、ユーイングはドリームチームでの思い出についてこう明かしている。

「ドリームチームで過ごした日々で最高の思い出は、素晴らしい選手たちと時間を共有し、毎日ハードに練習してきたこと。それがベストだね。あの時の練習は忘れ難い出来事だった。彼らとの間に芽生えた友情と、私とラリー・バード、クリス・マリンによって生まれた関係。そういった思い出は、今後も一生忘れることはない」

 当時のチームはユーイング、バード、マリンのほか、マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソン、カール・マローン、スコッティ・ピッペン、チャールズ・バークレー、ジョン・ストックトン、クライド・ドレクスラーら錚々たるメンバーが揃っていただけに、ユーイングがそう語るのも無理はない。

 はたして、今回のアメリカ代表は予選リーグ初戦の敗北から立て直すことができるのか。ハイレベルな競争に身を置いた彼らの巻き返しに期待したいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号