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NBA

ユーロリーグを沸かせるドンタ・ホール。かつて渡邊雄太の“ライバル”だった男が海を渡ったワケ<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.10.18

 そしてこの夏、スペインのウニカハ・マラガなど、欧州の他クラブも興味を示していたなかで、ホールが次の挑戦の場として選んだのがモナコだった。その理由を、入団発表に際しこう語っている。

「このクラブからは、しっかりした組織できちんとオーガナイズされているという印象を得た。そしてユーロリーグで戦える。エージェントやモナコの知り合いの選手から話を聞いたし、他の知人からも『素晴らしいクラブだ』と言われた。今後の成功に対しても、長期的で明確な目標を持っている。自分はそうしたクラブでプレーしたいと思っていた」

 モナコは創立1928年と、もうすぐ100周年を迎える歴史あるクラブだが、下部リーグを行った来たりで、いまだフランスリーグでのタイトルはない。しかし2015年にウクライナ人実業家が参画してから、ホールの言葉にあるような、長期的な目標を掲げた補強が始まった。以降、国内カップ3連覇、リーグでも国内王者のアスヴェルに次いで準優勝を果たすなど、着実にステップアップ。そして昨年、ユーロカップ優勝という大きな成果を成し遂げ、今季ユーロリーグ初見参となった。
 
 その2015年以来、チームを成長させてきた立役者が、モンテネグロ人のHC(ヘッドコーチ)、ズベズダン・ミトロビッチだ。2018-19シーズン、トニー・パーカー(元サンアントニオ・スパーズほか)率いるライバルのアスヴェルに引き抜かれたが、昨シーズンからはまたモナコに戻り、さっそくユーロカップ優勝を実現。今季もユーロリーグ初戦から2連勝と、手腕を発揮している。

 ミトロビッチHCは、ダイナミックでアスレチック能力の高いインサイドの猛者を求め、そのなかでホールに白羽の矢を立てた。そしてホールもまた、ミトロビッチがアグレッシブなディフェンスを所望する指導者だということで、モナコが自分の特性を生かせる場であると感じたと話している。

 今シーズンのモナコは、ユーロカップで優勝した昨年のロースターから、アメリカ人ガードのロブ・グレイを除く全員が入れ替わった、まったくの新チームだ。ホールはモナコではセンターも任されているが、同ポジションには2011年ドラフトでミネソタ・ティンバーウルブズから20位指名を受け、2012-13シーズンにヒュ-ストン・ロケッツでNBAデビューを飾った、身長213cmのリトアニア人ビッグマン、ドナタス・モティユナスも加入している。
 
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