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NBA

ユーロリーグを沸かせるドンタ・ホール。かつて渡邊雄太の“ライバル”だった男が海を渡ったワケ<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.10.18

 モナコは、欧州の古豪によく見られる“ゾーンディフェンスを基盤にしたオーソドックスなゲームスタイル”ではなく、常に人もボールも流れるように動く、ハイテンポとエネルギッシュな勢いを重要視したチームだ。

 そのペースセッターとなっているのは、昨シーズン末にネッツでプレーした元CSKAモスクワの点取り屋マイク・ジェームズ。ホールは彼のパスに合わせてゴール下に身体を滑り込ませては、面白いようにアリウープやダンクを決めまくる。この2人のコンビプレーは今季のモナコの生命線であり、アリーナの観衆を沸かせるアトラクションなのだ。

「自分はディフェンシブなプレーヤーだが、それより何より、エネルギーを注入する男だ。コート上をくまなく動き回る。それが好きなんだ。リバウンドを取り、ボールを奪い取る。オフェンスでもディフェンスでも同じインテンシティで戦うよ」

 そう語る彼のモナコでのプレーは、NBA時代よりも伸びやかで、エネルギッシュさにあふれているように見える。
 
 ホールは、NBAで継続的にプレーすることの難しさについてこう語っている。

「NBAは世界で最も競争力があり、すべてのプレーヤーに夢を与えてくれるリーグだ。ただ、そこでインパクトを残すのは難しい。ちょっとしたケガや挫折で、二度とプレーできなくなることだってある。毎年、世界中から新たに優秀な選手がやってきて、NBAの競争は凄いものになっているからね」

 しかしここで活躍することで、現在24歳のホールにNBAへUターンする道が拓けることは、十分あり得る。

「ユーロリーグでのプレーはNBAとまったく異なるだろうから、自分にとっては難しいと思うけれど、ここでいろいろ発見できることを楽しみにしている。自分の能力のベストを尽くして、与えられた仕事を全うしたい。それからこのスポーツを思い切り楽しみたい。そのふたつが自分にとってもの凄く重要なことなんだ」

 これまでは10日間契約の繰り返しといった、短期間での挑戦が続いていた彼にとっては、シーズンを通じて同じクラブで戦い、さらに国内リーグでタイトル争いに絡むといった経験をすることで、また違った学びを得ることにもなる。

 マジック時代と同じ背番号45を背負い、コートに躍動感を与えるドンタ・ホール。新参者モナコの躍進と合わせて、今季のユーロリーグで注目を集めそうだ。

文●小川由紀子

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