専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

自己ワーストの出来に終わった八村。チームの得点源として改善すべきポイントとは……

秋山裕之

2019.11.03

エースのビールは両軍最多の30得点。チームが苦しい場面もフリースローでつなぐ姿勢は八村も見習いたい。(C)Getty Images

エースのビールは両軍最多の30得点。チームが苦しい場面もフリースローでつなぐ姿勢は八村も見習いたい。(C)Getty Images

 すると今度はキャリア7年目のコビントンが逆襲。約1分間で2本の長距離砲を決め、特に2本目は八村が必死に手を伸ばすもお構いなしに放り込み、ウルブズのリードを20点へと広げる一撃となった。

 その後もウルブズのペースで試合は続き、第3クォーター残り5分10秒。ウィザーズは24点ビハインドを背負った場面で八村を下げ、その後はベンチから試合終了のブザーを待つこととなった。チームも前戦に続き守備が崩壊し、109131で完敗。開幕戦を終えて敗となっている。

 八村は2229秒プレーして、自己ワーストとなる4得点、2リバウンド、1ターンオーバー。フィールドゴール18.2%(2/11)、3ポイントは2本放って成功ゼロ、ペイント内でショットを放つ機会は何度もあったが、ジェンを中心とするウルブズのディフェンスの前にフリースローを獲得することすらできなかった。

 エースのビールは30得点と気を吐くも、アシストは八村のダンクへとつなげた1本のみ(今季最少)。出場時間帯における得失点差では、ビール(-41)、八村(-28)、ブライアント(-27)と、主要3選手が軒並み今季ワースト級のパフォーマンスに終わった。
 八村はターンオーバーを1本に抑えたことは悪くなかったものの、得点源の1人としては課題の残る1戦となった。チームの得点が伸び悩んでいた序盤に、ウルブズのファウルを何度も誘い、フリースローで得点を稼いだビールというお手本を参考に、今後はフリースローを獲得する術を身につけたいところだ。

 デビュー戦以降、ゴール下で度々ブロックを浴びるシーンも目につくが、その一方で、攻守における数字に残らないプレーも見逃してはならない。この日も前半終盤、ディフェンスの場面でゴール下にいる相手にほぼノーマークでパスが回りそうになった際に、見事なスイッチからボールを弾いて失点を回避。その後の攻撃では、相手のミスからのファストブレイクでゴール下まで一気に走り込み、ビールの3ポイントへとつなげる動きがあった。

 この日の八村が残したスタッツは決して称賛できるものではなかったが、当然ながらコートの上では全力でプレーしていたことは疑いようのない事実。20点以上の点差が開いてしまい、気持ちが折れてしまってもおかしくはない展開だったものの、先発パワーフォワードとして奮戦したことは、次戦以降の成長に必ずつながってくるはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号