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NBA

Gリーグで2戦合計100得点!NBA定着のチャンスを掴んだ28歳苦労人の波瀾万丈のキャリア<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.03.06

 ヒートとの10日間契約終了後は正契約に至らず、ゴールドに戻ってプレーしていたところ、冒頭の活躍もあってセルティックスに迎えられたのだった。

 彼にとってはこれがキャリア10球団目。それでもまだ28歳だが、アップダウンの多い自身のキャリアについて、ラプターズ905時代のインタビューでこう振り返っている。

「ミシガン大時代は、自分はいつも勝利チーム側にいて、毎試合のように勝つことを味わっていた。ところがNBAデビューした当時のキングスはチーム状態がよくない時期にあり、次のシクサーズもちょうど再建の時期だった。勝てない試合が続くなかで、自分への自信もどんどん失っていった」

 スタウスカスが在籍した2年間、ミシガン大は76試合で59勝と全盛期にあった。ところがプロ入り後のキングスは指揮官の入れ替わりが激しい安定しないシーズンで29勝、シクサーズ1年目の2015-16シーズンはわずか10勝、年間72敗という球団ワースト2位の壊滅的なシーズンだった。

「自分が良いパフォーマンスができた試合でも、チームは25点差とか、大差で負ける。そうすると、自分のプレーを喜べないし、評価もできなくなって、どんどん自信を失ってしまった」
 
 ようやくチャンスが巡ってきたかという時もあった。ブレイザーズに入団した18-19シーズン、ロサンゼルス・レイカーズとの開幕戦で、ベンチから3ポイント5本を含むキャリアハイタイの24得点をマークして128-119の勝利に貢献。この日は子どもの頃から「憧れの選手」に名を挙げていたレブロン・ジェームズのレイカーズデビュー戦であり、奇しくも彼はその憧れのヒーローに土をつけた男として話題になった。

 第1クォーターの終盤に投入されてから第2クォーターの前半にかけて、約5分間で16得点を奪取した新入りSGについて、ブレイザーズのテリー・ストッツHCは「彼が我々のリズムを作ってくれた。トレーニングで見せていたように、彼はシュートが上手い。新しいチームで、彼がこのようなシーズンのスタートがきれたことに満足だ」と高評価。

 ゲームハイの28得点をあげた大黒柱のデイミアン・リラードも、「彼はこれまでタフな時間を過ごしてきた。チャンスを得られないまま、多くのチームを渡り歩いてきた。ここに来てからは、俺たちは彼を鍛え、自信をつけさせ、彼がもたらしてくれるものを俺たちが必要としているんだということを伝えてきた。彼は素晴らしいシューターで、今夜の試合でも重要なスパークを与えてくれた」と、今後の活躍に期待を寄せていた。
 
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