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NBA

Gリーグで2戦合計100得点!NBA定着のチャンスを掴んだ28歳苦労人の波瀾万丈のキャリア<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.03.06

 しかし翌戦は20分コートに立ちながら3得点。その後も安定した成績を残せず、2月にキャブズへトレードされることになったのだった。

 NCAAの得点王だったジマー・フレデッテ(元キングスほか)など、学生時代に大エースだった選手が、NBA入りしてから期待通りの活躍ができない例は少なくない。

 スタウスカスも、「大学では常勝、ドラフトで上位指名され、すべてが上手くいくものだと思っていた自分がいた」と、ラプターズ905入団後の会見で率直にコメントしている。変化した環境に上手く対応できなかったり、入団した球団の戦術と自分のプレースタイルが合わなかったりと、本人以外の事情も含め、その理由は様々だ。

 そんなスタウスカスに、「これまでの経験はすべて成長の糧」と思わせたのが、ラプターズ905時代に師事したパトリック・ムトンボHCだった。彼はシーズン最初の試合で、選手たちにこう言ったという。
 
「君たちは全員、Gリーグでプレーすることを目標にここまでやってきたのではないはずだ。君たちが目指しているのはここではない。本来の目標を達成するのに必要な成長をするためにここにいる。そして私は、君たちがそれを実現できるようあらゆるサポートをする。だから常に、上を目指して向上しようとする気持ちを忘れてはいけない。常に競争心を忘れるな」

 スタウスカスのように、NBA球団との“正式契約当落ライン”でもがいている選手はものすごく多い。彼がよく受ける質問も、「自分はこのリーグにふさわしい選手だと感じるか?」というものだそうだが、何度も契約のチャンスが得られているのはポテンシャルがある証拠でもある。

 挫折を繰り返して培った精神力を武器に、直近15試合で13勝と好調なセルティックスで、自分の可能性に挑むスタウスカスに注目だ。

文●小川由紀子
 
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