それだけではなく、「コートの外では弱い者いじめをし、口だけでなく手も出した」「記者たちにはわざと横柄な態度を取った」「コーチやチームメイトにとっても扱いにくい人間で」「ロッカールームで横柄かつぶっきらぼうな態度をとることが多かった」とも書かれている。対戦相手に少しぶつかられただけでも大げさに倒れてみせたり、審判の判定にはことごとく顔を歪めて文句をつけ、ファンにサインを求められても一切応じないなど、行動のすべてが見苦しいものだった。NBAの選手たちを対象にしたアンケートで、4割以上が「最も嫌いな選手」としてレインビアの名を挙げていたのも納得だった。
それでも、どんな悪評が立ってもレインビアの態度は変わらなかった。それどころかますます激しいラフプレーを仕掛け、挑発的な言動を繰り返した。運動能力に恵まれない彼にとって悪役に徹することがアイデンティティであり、生き残っていくために必要な手段だったからだ。コートの内外での非道な振る舞いも、そうしたイメージを周囲に植え付けるために多少誇張していたフシもあった。
そうしたレインビアの意図を理解していたのが、ピストンズで最初にルームメイトになったアイザイア・トーマスだった。レインビアが移籍してきた時には、すでに押しも押されもせぬスター選手だったトーマスは、レインビアとはあらゆる意味で対照的な人物だった。だが、ともに非常に明晰な頭脳の持ち主であり、勝利に対する強い執着心を持つ点を共通していた。
もっとも、親友と言えるほどの関係でなかったのは、後年トーマスが口論の末にレインビアに殴りかかり、手を骨折する事件があったことでも明らかだが……。
もう一人、チャールズ・バークレーもレインビアを認めていた選手の一人。他の選手たちと同様、当初はバークレーもレインビアを心底嫌っており、89-90シーズンにはレインビアを殴って大乱闘に発展したこともあった。だがある映画で共演し、休憩時間中に話をするうちに「ビルは面白おかしく、しっかり地に足のついたやつだった」とその印象は変わった。彼の自伝では「どんな男を相手にしても絶対に引き下がらないし、勝つためにはどんなことでもする……NBAのプレーヤーというものは、そんな気概と能力を持っているべきだ」と称賛の言葉すら口にしている。
それでも、どんな悪評が立ってもレインビアの態度は変わらなかった。それどころかますます激しいラフプレーを仕掛け、挑発的な言動を繰り返した。運動能力に恵まれない彼にとって悪役に徹することがアイデンティティであり、生き残っていくために必要な手段だったからだ。コートの内外での非道な振る舞いも、そうしたイメージを周囲に植え付けるために多少誇張していたフシもあった。
そうしたレインビアの意図を理解していたのが、ピストンズで最初にルームメイトになったアイザイア・トーマスだった。レインビアが移籍してきた時には、すでに押しも押されもせぬスター選手だったトーマスは、レインビアとはあらゆる意味で対照的な人物だった。だが、ともに非常に明晰な頭脳の持ち主であり、勝利に対する強い執着心を持つ点を共通していた。
もっとも、親友と言えるほどの関係でなかったのは、後年トーマスが口論の末にレインビアに殴りかかり、手を骨折する事件があったことでも明らかだが……。
もう一人、チャールズ・バークレーもレインビアを認めていた選手の一人。他の選手たちと同様、当初はバークレーもレインビアを心底嫌っており、89-90シーズンにはレインビアを殴って大乱闘に発展したこともあった。だがある映画で共演し、休憩時間中に話をするうちに「ビルは面白おかしく、しっかり地に足のついたやつだった」とその印象は変わった。彼の自伝では「どんな男を相手にしても絶対に引き下がらないし、勝つためにはどんなことでもする……NBAのプレーヤーというものは、そんな気概と能力を持っているべきだ」と称賛の言葉すら口にしている。
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