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NBA

コビー&シャック——最高のデュオにして最大のライバルが生んだ醜聞やトラブル、そして栄光【NBAデュオ列伝|前編】

出野哲也

2022.02.10

レイカーズ時代は反発しあったシャック(右)&コビー(左)だが、コートに立てば無敵の強さを誇った。(C)Getty Images

レイカーズ時代は反発しあったシャック(右)&コビー(左)だが、コートに立てば無敵の強さを誇った。(C)Getty Images

 NBAには数多くの記憶に残るデュオがいた。ダーク・ノビツキーとスティーブ・ナッシュ(ダラス・マーベリックス)のように真の友情を育んだ者がいれば、マイケル・ジョーダンとスコッティ・ピッペン(シカゴ・ブルズ)のような師弟コンビもあり、デニス・ロッドマンとビル・レインビア(デトロイト・ピストンズ)のような、単なる仕事上のパートナーにすぎない関係もあった。

 それでも、彼らほどその仲が険悪で、それでいて最高の成績を収め続けたデュオはいなかった。コビー・ブライアントとシャキール・オニール。NBAで最も才能に恵まれ、最も強いエゴの持ち主だった2人の尋常でない関係は、数々の醜聞やトラブルと引き換えに、ロサンゼルス・レイカーズに3年連続チャンピオンという栄光をもたらした。
 
■才能とエゴが共存した異色の強力デュオ

 2人がレイカーズに入団したのは、同じ1996-97シーズンだった。ドラフト1巡目13位でシャーロット・ホーネッツに指名されたコビーは、その直後にブラデ・ディバッツとのトレードでレイカーズへと移る。ディバッツ放出で浮いた資金を使い、レイカーズはオーランド・マジックからFA(フリーエージェント)となっていたシャックと、7年間1億2100万ドルの超高額契約を結んだ。

 その頃の2人は選手としての格に天と地の差があり、衝突のしようがなかった。1992年にドラフト全体1位でマジックに入団したシャックは、いきなり平均23.4点、13.9リバウンドを記録して新人王となり、3年目の1994-95シーズンには平均29.3点で得点王を獲得。マジックをファイナル進出に導くなど、押しも押されもせぬスーパースターとなる。本業のバスケットボールだけでなく、ラッパーや俳優としての活動でも人気を集めていた。

 一方のコビーは、高校を卒業したばかりの18歳。身体能力の高さには一目置かれていたものの、当時は高卒選手自体が極めて少数だったこともあり、プロ入りの選択に懐疑的な目を向ける者も多かった。実際、1年目は平均7.6点、プレーオフでも勝負所でエアボールを連発するなど未熟さをさらけ出した。
 
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