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NBA

レインビア&ロッドマン――芸術的なラフプレーで他球団から恐れられた“最凶コンビ”【NBAデュオ列伝|前編】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2022.03.18

 レインビアがその悪名を轟かせ始めた頃、ロッドマンはまだどこにでもいるような凡庸な少年にすぎなかった。父親は早くから家族を捨て、2人の妹はバスケットボールの奨学金をもらって大学に進んだが、身長の低かったロッドマンは高校のチームメンバーにすらなれず、最初に就いた職業は故郷ダラスの空港警備員だった。内気で人と打ち解けることもできず、運動神経だけはよかったが他にこれといった才能もなかった。

 ところがある年、彼の運命が大きく変わる。身長がいきなり28cmも伸び、2mを超えたのだ。短大でバスケットボールのキャリアを再開すると、4年制大学からも注目されるようになり、サウスイースタン・オクラホマ州大に編入。無名校ながら素晴らしい成績を収めたことが評価され、86年のドラフト2巡目でピストンズに入団した。
 
 ヘッドコーチのチャック・デイリーは、ロッドマンの素質、意欲、そして技術をすぐに見抜いた。特に感心したのは、オリンピック級の陸上選手に匹敵するほどの運動能力だった。

「ディフェンスとリバウンドを磨きなさい。誰もやりたがらないことを率先してやれば、いい暮らしができるようになる」。デイリーの助言に応え、ロッドマンは誰よりもよく練習し、めきめきと腕を上げていった。(後編へ続く)

文●出野哲也
※『ダンクシュート』2007年2月号原稿に加筆・修正
 
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