専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

共通点は“ニックス憎し”。ミラー&ジャクソンの“ヒール・コンビ”が誕生するまで【NBAデュオ列伝|前編】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2022.04.16

 ミラーもUCLAで史上2位の得点記録を打ち立てたが、プロの評価は2人に対して厳しかった。1987年のドラフトではミラーが11位、ジャクソンは18位と、予想よりも低い順位での指名。インディアナ・ベイサーズは当初、11位でジャクソンを指名する約束をしていたが、当時のジャック・ラムジーHC(ヘッドコーチ)がシューターを欲しがったため、ミラーに変更されたのだった。

 ジャクソンは頭にきたが、すぐにその不満は満足感が取って代わった。18位で彼を指し名したのが、地元のニックスだったからだ。

「ニックスの指名順位が近づいてきた時はドキドキしたよ。頼むからほかのチームは指名しないでくれって、強く願っていた」

 ニックス・ファンも、ジャクソンを好意的に迎え入れた。これとは対照的に、インディアナのファンはミラーの指名にブーイングを浴びせた。この年NCAAトーナメントを制した、地元インディアナ大のスティーブ・アルフォードの獲得を望んでいたからだ。それを知ったミラーは、より一層やる気を燃やした。絶対に一流選手になって、ファンを見返してやろうと決意したのだ。
 
■逆境を跳ね返すことに闘志を燃やし続けた若手時代

 ミラーはすぐに実力を証明し、ほどなくブーイングは歓声に変わった。彼の武器は、何と言っても正確なジャンプショット。美しいフォームに加え、リリースも素早く、しかもとてつもなく遠い地点からも平然と決めてみせた。

 自分でシュートチャンスを作るのは苦手だったが、コートを休むことなく駆け回り、ノーマークの状態を作り出すことには長けていたミラー。2年目は先発に昇格し平均16.0点、3年目は24.6点のハイアベレージでオールスターにも選ばれた。

 一方のジャクソンは、プロ入り当初の活躍はミラーをしのぐほどだった。シュート力の低さとスピードのなさを理由に、プロでの可能性に疑問を投げかける声も多かったが、ジャクソンの創造性に富んだゲームメーキング能力は、欠点を補って余りあった。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号