「ステフとクレイにはほとほと手を焼いたから、シリーズが終わって本当にほっとしたんだ」とパーカーは振り返っているが、その予想通り、4年後の17年カンファレンス決勝では4勝0敗でウォリアーズが圧勝と、立場は逆転していた。
パーカーは負傷でこのシリーズには出場していないが、カリー、トンプソン、グリーンにケビン・デュラントまでいた当時のウォリアーズの強さは圧倒的で、ウエストを無敗で勝ち上がると、ファイナルでもクリーブランド・キャバリアーズを4勝1敗で破って優勝。翌年もスパーズは1回戦で彼らに敗れ、バトンを渡すかのようにウエストの覇権はウォリアーズのものとなった。
パーカーはまた、奇しくもウォリアーズとセルティックスの両ヘッドコーチ(スティーブ・カー、イーメイ・ユドカ)とも、スパーズ時代に共闘している。
2人ともグレッグ・ポポビッチHCの教え子であり、パーカーによれば、ウォリアーズの指揮官となった時、カーはスパーズを手本にチームを構築していたのだという。
身を持って成長を目の当たりにしたカリー、トンプソン、グリーンのトリオ、そして3度タイトルを獲得しているカーHC。彼らの総合的な経験値が、最終的にはセルティックスの勢いを上回ると、パーカーは予想している。
その一方で、カンファレンス準決勝と決勝の両方で、それぞれミルウォーキー・バックス、マイアミ・ヒートと7戦を戦ったセルティックスに関して囁かれる“疲労問題”については、パーカーは自身の経験から否定した。
「それは大丈夫だ。もうこの段階になると、疲れていることなんて忘れてしまうんだ。特に若い彼らにとっては、ファイナルを戦っていること自体がとてもいい経験だからね。しかもファイナル期間中は休みが多くて、2~3日開くから連戦でもない。だから疲労がボストンに影響することはないと思う」
ファイナル中は“スーパーハイ”状態になり、しかもレギュラーシーズンで連戦に慣れている選手にとっては、ポストシーズンのほうが体力的には楽、ということらしい。
両チームとも、3月末の試合を最後に連敗を喫していない。それは敗戦後に立て直す術を心得ているということだ。一時は逆転するも終盤に失速し、16点差で敗れた3戦目を振り返ってグリーンは、「ホームの観衆の前で相手を調子づけてしまうと、厳しい展開になる」と自戒していた。
第4戦は同じ轍を踏むことのないよう、ウォリアーズも必ず修正してくるだろう。ファンからすれば、いっそうスリルが増すような長引くシリーズを見たいもの。創設75周年の記念シーズンを飾るにふさわしい、熱戦が続くことを期待したい。
文●小川由紀子
パーカーは負傷でこのシリーズには出場していないが、カリー、トンプソン、グリーンにケビン・デュラントまでいた当時のウォリアーズの強さは圧倒的で、ウエストを無敗で勝ち上がると、ファイナルでもクリーブランド・キャバリアーズを4勝1敗で破って優勝。翌年もスパーズは1回戦で彼らに敗れ、バトンを渡すかのようにウエストの覇権はウォリアーズのものとなった。
パーカーはまた、奇しくもウォリアーズとセルティックスの両ヘッドコーチ(スティーブ・カー、イーメイ・ユドカ)とも、スパーズ時代に共闘している。
2人ともグレッグ・ポポビッチHCの教え子であり、パーカーによれば、ウォリアーズの指揮官となった時、カーはスパーズを手本にチームを構築していたのだという。
身を持って成長を目の当たりにしたカリー、トンプソン、グリーンのトリオ、そして3度タイトルを獲得しているカーHC。彼らの総合的な経験値が、最終的にはセルティックスの勢いを上回ると、パーカーは予想している。
その一方で、カンファレンス準決勝と決勝の両方で、それぞれミルウォーキー・バックス、マイアミ・ヒートと7戦を戦ったセルティックスに関して囁かれる“疲労問題”については、パーカーは自身の経験から否定した。
「それは大丈夫だ。もうこの段階になると、疲れていることなんて忘れてしまうんだ。特に若い彼らにとっては、ファイナルを戦っていること自体がとてもいい経験だからね。しかもファイナル期間中は休みが多くて、2~3日開くから連戦でもない。だから疲労がボストンに影響することはないと思う」
ファイナル中は“スーパーハイ”状態になり、しかもレギュラーシーズンで連戦に慣れている選手にとっては、ポストシーズンのほうが体力的には楽、ということらしい。
両チームとも、3月末の試合を最後に連敗を喫していない。それは敗戦後に立て直す術を心得ているということだ。一時は逆転するも終盤に失速し、16点差で敗れた3戦目を振り返ってグリーンは、「ホームの観衆の前で相手を調子づけてしまうと、厳しい展開になる」と自戒していた。
第4戦は同じ轍を踏むことのないよう、ウォリアーズも必ず修正してくるだろう。ファンからすれば、いっそうスリルが増すような長引くシリーズを見たいもの。創設75周年の記念シーズンを飾るにふさわしい、熱戦が続くことを期待したい。
文●小川由紀子