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NBA

エンビード&シモンズの強力デュオを擁しながら波に乗れないシクサーズ。序盤戦で明らかになった致命的な弱点とは?

北舘洋一郎

2019.11.20

司令塔のシモンズは「負け試合では終盤に重要な仕事ができていない」と現状に危機感を抱いている。(C)Getty Images

司令塔のシモンズは「負け試合では終盤に重要な仕事ができていない」と現状に危機感を抱いている。(C)Getty Images

 毎試合、開始から終了まで同じメンバーで戦っていると、重要な局面で相手はディフェンスの的を絞りやすくなる。シクサーズにはゲームのリズムを短調にしないための強力なバックアップメンバーが欠けているのだ。

 例えるならロサンゼルス・クリッパーズのルー・ウィリアムズ、トロント・ラプターズのフレッド・ヴァンブリート、ヒューストン・ロケッツのエリック・ゴードンのような選手である。

 GMのブランドはその役割をダラス・マーベリックスから獲得したトレイ・バークに期待していた。しかし27歳のガードはここまで3試合しか出場機会がなく、まだ戦力として計算できるレベルに達していない。

 またオフェンスよりも今後の課題とされているのがディフェンスだ。

 今季の5敗のうち5点差以内が3回、延長が1回、完敗したのは1回だけで、本来手堅く戦えば4試合は勝てるチャンスが十分あった。しかし、肝心な場面でディフェンスが噛み合わず、相手に一瞬の隙を突かれ得点を許して敗れている。最後の一押しが出来ていない現状を打破せねばならない。
 
 シモンズが自身に言い聞かせるように話す。

「オフェンス以上にディフェンスでの主導権を掴める選手にならないと。得点やアシストを多く重ねることよりも、その得点やアシストが勝利につなげるものになったかを重視してやっている。ディフェンスも同様で重要な場面で仕事ができたのかが重要だ。そう考えれば、負け試合ではそれができていない。だから悔しさが残る」

 ブラウン・ヘッドコーチは今後に向け、「ちょっとした部分での噛み合わせが上手くいけば、上り調子になることはわかっている。それでも焦らず目の前の課題を着実にクリアしていかないと、すべてが水の泡になってしまう。長いシーズンでベストな道を歩むために選手たちを導くのが私の役目だ」と述べた。

 セルティックスやバックスに後れを取ったシクサーズだが、彼らの課題は明白だ。幸いにもシーズンはまだ始まったばかりで、問題をクリアしていく時間も多く残されている。

 エンビード&シモンズの強力デュオを中心に、チームとしてのポテンシャルはリーグトップクラス。上手く機能すれば2000-01シーズン以来となるイーストのトップシード獲得も夢ではない。

文●北舘洋一郎
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