トレーニングキャンプに絞った身体で登場したデイビスは、地元紙の記者陣から契約内容について聞かれ、「このボーナスは大きい。金額次第では、承諾しなかった」と語っている。
また、身体はビッグながらアジリティがあり、プレースタイルがデイビスと似ていると言われたセルティックスの後輩、ジャレッド・サリンジャーも、体重問題を抱えていた。
サリンジャーはマイケル・ジョーダンやコビー・ブライアント、レブロン・ジェームズら、歴代のスーパースターたちも活躍した高校生版オールスター、マクドナルド・オールアメリカンゲームに出場(10年)し、大会MVPにも選出されたほどの注目選手だった。
しかしドラフト前から背中にトラブルを抱えていることが漏れ伝わり、それはオーバーウェイトが原因であると、多くの球団は二の足を踏んだ。
そんななか、セルティックスは12年のドラフト1巡目21位で彼を指名。10戦目のトロント・ラプターズ戦でダブルダブルを達成するなど前途洋々のスタートを切ったかに思われたが、2月に腰椎の手術が必要となり、シーズン中の復帰は絶望視されていた。
その後も体重増加が原因で疲労骨折を起こした彼に、当時のGMダニー・エインジは「クラブが求めるフィットネス基準を満たしていない」と指摘。サリンジャーの素質を高く評価し、ルーキー契約終了後の延長も視野に入れていたからこそ、エインジはチームの一員であることの条件として彼に真剣に体重を管理することを促した。
負傷欠場中、チームがプレーオフ出場に向けて邁進していたのをコート外で眺めていた彼は一念発起。スイミングを中心に減量に取り組むと、4月には試合に復帰する軌跡的な回復を遂げた。
「疲労骨折は神からの啓示だった。これがあったから、ウェイトコントロールの大事さに気づけた。みすみすNBAでのキャリアを縮めるところだった」(サリンジャー)
翌シーズンは81試合に出場し(先発73試合)、デビュー以来もっとも安定したシーズンを送ったが、結局ボストンは一度提示したクオリファイングオファーを取り下げ、サリンジャーはオフにトロント・ラプターズに移籍。そこでも開幕前に左足の第5中足骨を修復する手術を受け、デビュー戦は年明けに持ち越されると、結局この年がNBAで最後の年に。現在は中国リーグでプレーしている。
サリンジャーの場合、 父親も最高時には390ポンド(177kg)に達するなど、 家系的に代謝に問題があり、遺伝的に体重が増加しやすい体質だったとのことで、減量は人並み以上の努力と苦労が必要だったようだ。
バスケットボールの才能は高く評価されつつも、体質的な問題でオーバーウェイト、それがケガの原因となってキャリアに影響するのは残念だが、アスリートである以上、避けては通れない道だ。
ザイオンにとっても、「295」はなかなかタイトな数字に思えるが、スーパーMAXなサラリーだけでなく、昨シーズンを全休した後、己の真価を示したいという強い思いが、ウェイトコントロールへのなによりのモチベーションになることだろう。
文●小川由紀子
また、身体はビッグながらアジリティがあり、プレースタイルがデイビスと似ていると言われたセルティックスの後輩、ジャレッド・サリンジャーも、体重問題を抱えていた。
サリンジャーはマイケル・ジョーダンやコビー・ブライアント、レブロン・ジェームズら、歴代のスーパースターたちも活躍した高校生版オールスター、マクドナルド・オールアメリカンゲームに出場(10年)し、大会MVPにも選出されたほどの注目選手だった。
しかしドラフト前から背中にトラブルを抱えていることが漏れ伝わり、それはオーバーウェイトが原因であると、多くの球団は二の足を踏んだ。
そんななか、セルティックスは12年のドラフト1巡目21位で彼を指名。10戦目のトロント・ラプターズ戦でダブルダブルを達成するなど前途洋々のスタートを切ったかに思われたが、2月に腰椎の手術が必要となり、シーズン中の復帰は絶望視されていた。
その後も体重増加が原因で疲労骨折を起こした彼に、当時のGMダニー・エインジは「クラブが求めるフィットネス基準を満たしていない」と指摘。サリンジャーの素質を高く評価し、ルーキー契約終了後の延長も視野に入れていたからこそ、エインジはチームの一員であることの条件として彼に真剣に体重を管理することを促した。
負傷欠場中、チームがプレーオフ出場に向けて邁進していたのをコート外で眺めていた彼は一念発起。スイミングを中心に減量に取り組むと、4月には試合に復帰する軌跡的な回復を遂げた。
「疲労骨折は神からの啓示だった。これがあったから、ウェイトコントロールの大事さに気づけた。みすみすNBAでのキャリアを縮めるところだった」(サリンジャー)
翌シーズンは81試合に出場し(先発73試合)、デビュー以来もっとも安定したシーズンを送ったが、結局ボストンは一度提示したクオリファイングオファーを取り下げ、サリンジャーはオフにトロント・ラプターズに移籍。そこでも開幕前に左足の第5中足骨を修復する手術を受け、デビュー戦は年明けに持ち越されると、結局この年がNBAで最後の年に。現在は中国リーグでプレーしている。
サリンジャーの場合、 父親も最高時には390ポンド(177kg)に達するなど、 家系的に代謝に問題があり、遺伝的に体重が増加しやすい体質だったとのことで、減量は人並み以上の努力と苦労が必要だったようだ。
バスケットボールの才能は高く評価されつつも、体質的な問題でオーバーウェイト、それがケガの原因となってキャリアに影響するのは残念だが、アスリートである以上、避けては通れない道だ。
ザイオンにとっても、「295」はなかなかタイトな数字に思えるが、スーパーMAXなサラリーだけでなく、昨シーズンを全休した後、己の真価を示したいという強い思いが、ウェイトコントロールへのなによりのモチベーションになることだろう。
文●小川由紀子
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