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NBA

八村塁の実力をNBAスカウトが評価!「一言で表すなら“スコアラー”」「(守備は)せいぜい平均レベル」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.09.15

「彼にとって大きなことは、3ポイントが(昨季の)42試合で上達したこと。それはすごく大きい。これはあくまで小さなサンプルに過ぎず、120本くらいのショットしか放っていない。だが彼がこの部分を伸ばし続けていくなら、(成功率が)40%だろうと39%だろうと大きな飛躍だ。彼はこれまで本当にミッドレンジの男だったからね。彼のゲームに(3ポイントが)加われば、もっともっと価値のある選手になるさ」とスカウトBは語る。

 もっとも、3ポイントの精度が増したとはいえ、平均2.9本の試投数のうち2.7本がキャッチ&シュートで、半分以上の1.6本はディフェンダーが6フィート(約180cm)以上も離れたワイドオープンの状況で放っていたため、相手チームからあまり警戒されていなかったゆえと見ることもできる。

 夏の間、選手たちはワークアウトで自身のスキルを磨き、今月下旬から始まるトレーニングキャンプ、プレシーズンゲーム、そしてシーズン開幕に臨む。当然各チームとも対戦相手を研究してくるため、現状維持のままでは昨季と同等の成績を残すことは難しいだろう。

 そんな八村についてスカウトたちが弱点に挙げていたのはディフェンス。スカウトBとCは八村の守備を「せいぜい平均レベル」と指摘。ウェス・アンセルドJr.ヘッドコーチやトミー・シェパードGM(ゼネラルマネージャー)は、八村が有能な2ウェイプレーヤーになれるポテンシャルがあると期待しているものの、現状ではあくまで可能性があるに過ぎないとスカウトたちは見ているようだ。
 
 1対1の守備だけでなく、チームディフェンスも理解し実行しなければならない環境で、八村はローテーションミスやマッチアップ相手を見失ってオープンショットを許してしまう場面もあり、その両面で向上していくことが必須。

 それでも、スカウトDは「彼にはサイズがあり、足を使って動くこともできる。それは重要なこと。彼には万能性があると私は見ている。スイッチして(自身の)スペースを守れるようになると思う」と伸びしろを期待していた。

 八村自身も昨季最終戦となった4月10日のシャーロット・ホーネッツ戦後、オフの課題として守備面を挙げている。

「(コーチたちと)ディフェンスについて話し合いました。相手のシューターをいかに止めるか、オフボールディフェンスをどうやって向上させるかなど、もっと映像を観て相手選手を研究すればその部分が向上すると思います」と、改善すべき分野であることを認識している。

 キャリア4年目となる今季、王者ゴールデンステイト・ウォリアーズとのジャパンゲームズ(プレシーズンゲーム2試合)で凱旋する八村は、ウィザーズの一員として初めて日本でプレーする傍ら、今後のNBAキャリアを占ううえで重要なシーズンを迎えようとしている。

文●秋山裕之(フリーライター)
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