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NBA

レブロン&コビー超えを果たしたバンケロを“先輩”テイタムが称賛。しかし、「楽なプレーをさせるつもりはない」とライバル視も<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.10.24

 さらにこのセルティックス戦は、バンケロにとって特別な日となった。というのも、幼い頃にレブロンとカーメロ・アンソニー(現無所属)を観て育ってきたバンケロにとって、大きくなるにつれてそのプレーを参考にしてきたのがテイタムとアンソニー・デイビス(レイカーズ)であり、この日はデューク大の先輩テイタムと初めて対戦する機会が訪れたからだ。

 数年前からバンケロと親交があるテイタムは、試合後にこう話していた。

「彼やその家族のことを思うと、こんなに嬉しいことはないね。僕は彼がどれほどハードに練習しているか、どれだけいい人間なのかを知っている。彼はあのサイズで分厚い身体を持ちつつ、フロアで本質的になんでもこなしてしまうから、あとはこれからも成長を続けていくだけ。彼とようやく(コートで)やり合うチャンスを得て嬉しかった。これから先も、僕らが数多くのバトルを繰り広げていくのは間違いないね」

 ルーキーで19歳のバンケロに対し、テイタムは今季でキャリア6年目の24歳。まだまだ若手とも言える年齢だが、すでにオールスターに3度選ばれ、昨季はイースタン・カンファレンス・ファイナルMVP&オールNBA1stチーム入りも果たすなど、リーグ有数の実力者と呼べる地位にある。

 自身をリスペクトする若手がデビューしたことで「ありがたいこと。でもなんだかおかしいね」と語ったテイタムは、“近い将来のライバル”についてこう口にしていた。
 
「コートで競い合うということは、どれだけ彼のゲームが好きであろうと、彼の人間性を好んでいようと関係ないんだ。僕は彼に楽なプレーをさせるつもりなんてまったくないね」

 この試合では、両選手によるマッチアップも実現。テイタムはバンケロをフィールドゴール成功率25.0%(1/4)に抑え込み、バンケロも相手をフィールドゴール成功率40.0%(2/5)にスローダウンさせたとはいえ、スキルやシュート力に経験など、当然ながら現時点では数多くの面でテイタムに軍配が上がっている。

「(テイタムは)エリートプレーヤー。常に目を離してはいけない男だからね。僕がガードした時は、なるべく彼のプレーを難しくさせようと努力した。けど彼はショットを決めてくるから、決して彼のことをがっかりさせるようなことはしちゃいけない。次のポゼッションで自分がステップアップしなきゃいけないんだ」

 テイタムについてそう語ったバンケロ。12月16日にはセルティックスとの第2ラウンド、さらにはレブロン、デイビスと対決するレイカーズ戦は12月27日、来年3月19日に予定されているだけに、今後のバンケロの“挑戦”に引き続き注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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